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BSプレミアムシネマお薦め⑮『マッドマックス 怒りのデスロード』

さて、本日お薦めする映画はこちら!

アマゾンプライムビデオでも見ることができます。

実はこの映画、スクリーンで(=映画館で)既に2回見たことがあります。そのうち一回はいわゆる「爆音上映」でした。

しかし、敢えてテレビ画面で見てみるとその映像の鮮明さに逆に驚かされます。決して4Kやましてや8Kなどではないのですが、それでもスクリーンで見た時には気づかなかった細かいところに気づかされました。

今の時代、映画館で映画を見るということの意味は薄れてきているでしょう。音響は確かに映画館の方がすごいですが、しかし、それはちょっとお金をかければ家庭でも解決できるはずです。そして映像自体はというと、スクリーンの大きさにはかないませんが、かえってテレビのほうが鮮度、明度ともにはっきりみることができます。片目4Kのヘッドマウントディスプレイが開発されれば(というか、もう開発されているようですが)、もはや映画館に行く意味は?と考えさせられます。

とにかく、この手の映画は、映像の迫力と勢い、そしてそれに伴う音楽が大きな位置を占めています。『マッドマックス 怒りのデスロード』というタイトル自体がそれを象徴していると言えるでしょう。最大限にマッドで、怒りのフルスロットルです。

とにかくノンストップのハイスピード映画ですが、しかしそこでもしっかりした「ドラマ」が描かれていることに、改めて感動させられます。本作においては「マックス」はいわゆる狂言回し的な役割で、実質的な主役はフェノロサであり、ウォーボーイです。とくにウォーボーイの情けなさとまじめさとその結果として見えてくる「生き様」には共感せざるを得ないでしょう。我々、一般人は決してスーパーヒーローではありません。しかしだからといって、あきらめた人生を送るのはクズにもなりたくはない。では、どうすれば、今の時代においてクズにならずに生きていくことができるのか。その答えを「ウォーボーイ」は示してくれています。一言で言えば、それはシンプルですが、刹那的かもしれない「愛」にいきること、それに賭けてみることです。そう、それは「賭け」です。多くの場合、失敗することが多いでしょう。しかし、それを分かった上で、敢えて「賭け」に出るのが我々人間です。その意味で、この映画は一見勢いだけと思われるかもしれませんが、「人間」をしっかり描いています。人間にとっての「自由」とは与えられたものではありません。与えられているのは、さまざまは制限がある「条件」としての「現実」であり、だからこそ我々人間はそこからの逸脱としての「自由」を求めるのです!

というわけで、ちょっと熱くなりましたが、この映画、そのような意味での「熱い」映画です。そろそろこのシリーズの続編がみたい時期になってきましたが、それも期待しましょう。とにかくお薦めの傑作です。このような映画をNHKで放送してくれることに感謝です。

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