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休む勇気に揉まれる勇気!フィロのスの 「The Principal Show 2024 ~Sweet Time~」神戸公演に行ってきました!

フィロのスこと「フィロソフィーのダンス」の神戸公演のチケットはかなり前の段階から取っていたのですが、その頃から新メンバーで元気いっぱいの妹キャラ的な存在だった、香山ななこ氏が体調不良を理由に活動を休止しており、気になっていました。やはり若い子にとっては厳しく辛い世界なんだろうなあ、ここはゆっくり休んでほしいなあ、と思う反面、ファンとしてはもう一度彼女の姿をステージで観たいという気持ちもあり、複雑な気持ちのまま会場に足を運びました。

ポスターには5人の写真が載っていることからもぎりぎりまで5人で行けるかどうか考えられていたことが分かります。

やはり、というかもちろんですが、公演は残りの4名のメンバーで行われました。このツアーはもうこの4人で行く方向で決まったようです。しかし、そこはプロ、4人でもしっかりと魅せて、聴かせてくれます。5人で予定していたものが急遽4人になったということで、フォーメーションも大きくと変える必要があったのでしょうが、そんな裏での大変さは全く感じさせない圧巻のライブでした。特に今回はステージがそんなに大きくないこともあり(だからこそライブハウス感覚がでてよかった)、横の動きというよりは縦の動きで魅せてくれました。

特筆すべきは、残された(というか託された)もう一人の新メンバーである、木葭のの氏の活躍と、我らがミューズにしてザ・アイドル、佐藤まりあ氏がいつも以上にはじけてくれたことでしょう。メインボーカルとして日向ハル氏、奥津マリリ氏というタイプの違う2人を立てているフィロのスですが、フィロのスの魅力はもちろんその高い音楽性にありますが、音楽とは決してメインの歌声だけではありません。私の好きなジャズで言うと(実は結構フィロのスもいわゆる「踊れるジャズ」的な音作りを意識しているはず)バンドを引っ張るメインの楽器を担当するフロントマンはいますが、その周りのメンバーがいてこそ名演奏となるのです。しかもフィロのスはそれを「音」だけではなく、ダンスでも、ビジュアル面でも見せてくれるのです。舞台上で自ら発言していましたが、木葭ののさんにとってはこのツアーはある意味試練のツアーとなるでしょう。しかし確かに去年大阪で観た時よりは存在感もアップしていましたし、自信が表に現れるようになっていました。「能力」という意味でのタレント性はもともと高い方なので、今後伸びしろしかないでしょう。そして我らが佐藤まりあ氏ですが、この人の絶対的なアイドル性が、フィロのスをアーティストとアイドルの間という絶妙な、そして唯一無二の立ち位置にしてくれているのは間違いないです。これも本人も舞台上で言っていましたが、今回は特にはじけてくれたということで嬉しい限りです。「私にはみんな(ファン)がいる」と言っておきながら「私と運命の赤い糸でつながっていると思う人!」と手を上げさせておいて、「残念でした!」とズバッと切るようなツンデレというかデレツンができて、それをファンが大拍手で歓迎するなど、彼女でなければできない芸当でしょう。メンバー全員がそうでしたが、今回は衣装も、いわゆる衣装っぽい衣装ではなくむしろ私服っぽい衣装で、より近づける感覚にさせてくれているのも、今回のツアーの魅力です。

と、とにかく最高のライブでしたが、やはり5人体制で観たい、という気持ちはあります(これもステージ上でメンバーが言っていましたが、実はこの日が香山ななこ氏の生誕記念日だったそうです)。しかし、今ここでそれを言うのも、ある意味プレッシャーにもなってしまうでしょう。木葭のの氏のように敢えて過酷な道に突き進む側にも勇気があるように、休む側にも勇気がいります。いや、ある意味突き進む以上に勇気がいるかもしれません。で、あればファンとしてはその勇気を応援するだけです。今後、フィロのスがどのような形になろうとも、あの時、あのライブを見た!というのは、いつまでも我々の自慢になるでしょう。それだけ今、見る価値のあるライブです。

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