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東京女子流版「アガルタ」&「パンゲア」?『ToKyo Girls’ Style 12th Anniversary Live』
本日ご紹介する音源、というかDVDはこちら!2022年5月に東京女子流(以下「女子流」)が行ったライブの昼公演と夜公演をそれぞれ記録した『ToKyo Girls’ Style 12th Anniversary Live 物語の1ページ キミとずっときっと』と『ToKyo Girls’ Style 12th Anniversary Live 物語の1ページ いつまでも光を放つから』です。
昼の部と夜の部でそれぞれ1枚、となると我々ジャズファンはマイルスの日本でのライブを録音した名盤『アガルタ』と『パンゲア』の通称「アガパン」を連想しますが、当然どちらもいいです。ただ、強いて言えば、古くからのファンの方には昼の部の「キミときっとずっと」を、私のような新参者のファンには夜の部の「いつまでも光を放つから」をお勧めします。基本的に昼の部は今までの活動を振り返るもの、夜の部はそれを踏まえた上での今の女子流を見せて(聴かせて)くれています。
となると、期待したいのはやはり彼女たちの「今」を収めた最新アルバム、あるいはライブDVDでしょう。昨年出た今のところ最新の曲(おそらく配信のみでの販売)「datura」も最高です!今のファンは基本的にアルバム単位ではなく、曲単位で買うのでしょうが、我々世代はやはり「パッケージ」が欲しい!今のところの最新アルバムは2年半ほど前の「ノクターナル」でその時で7年ぶりのアルバムだったので、アルバムは難しいでしょうか。昨年は14th Anniversary liveが行われたそうですから、それのDVD(ブルーレイ)でもいいです。というか、今年は結成15周年なので、その記念ライブのDVD(ブルーレイ)がいいかも。調べてみたところ、女子流が所属しているエイベックスグループは最近「ミュージックカード」という商品(カードにダウンロード先とPINナンバーが記載されているもの)に力を入れているようで、「アイドル」としては確かにそのスタイルが合っているでしょう。ファンはアイドルの写真=カードが欲しいでしょうから。しかし私のようにアイドルとして、というよりも「音楽」として聴きたい人も多数いるでしょう。そうなのです。女子流の音楽は「音楽」として素晴らしいものばかりです。
ところで話は変わりますが、長らく新潟で活動していたローカルというにはもったいない実力派アイドルグループ「RYUTist」が昨年末を持って活動を終了しました。ファンとしては何とも言えない残念な思いはありますが、ファンであるからこそ、これからのメンバーの人生を応援したいです。そして、そう考えれば、今年結成15周年を迎える「東京女子流」もいずれ解散してそれぞれのメンバーがそれぞれの道を進むことになるかもしれません(個人的にはもちろん、今後も「大人アイドル」としての道を究めていってもらいたいですが、、、)。もはや彼女達は立派な大人で、彼女達には彼女達のこれからの人生=物語があります。そして彼女たちにとっても、我々ファンにとっても、12年目も15年目も「人生」というより大きな物語の1ページです。
そしてこのDVDはその1ページを見事に切り取ってくれています。このような1ページがあるからこそ、我々は「まだ人生は捨てたもんじゃない」と思えるのです。そしてその力をくれる存在こそが我々にとってのアイドルです。アイドルだからそのような力を与えることができるのではなく、そのような力を与えてくれる存在こそがアイドルなのです。大人になった女子流が、これからどんなアイドル像を作っていくのか、楽しみしかありません。