アマゾンプライムお薦めビデオ④ 165:やはりスゴイというか恐るべき作品であった。アニメ『推しの子』第2期
『推しの子』第2期については既にそれが始まった時に記事を書いている。そして今、その第2期も終わった。感想は、と言えば「いい!」「凄い!」「恐るべし!」の一言(と言いながら三言も書いたが)に尽きる。「見事!」と言ってもいい(四言目だが)。
今期は、全体としては兄であるアクアの話であったと言えよう。あるいは、より正確に言えばアクアを巡る人々の話であったと言える。もちろんその流れは今後も続くであろう(既にアニメ第3期も発表された)。しかし今度はそこに妹のルビーもより関わってくることになる。ルビー推しとしては「ようやく来たか!」という感じだが、その意味で、アニメ第二期のラスト二話の展開は凄かった(エグくかつエモかった)。アクアの話であった今期をぐぐっとルビー側に持ってきたという感じである。そしてその状態での、その高まった状態での「続く、、、」である。こんな持って行き方をされたら次が気にならざるを得ない。
あるいは、こういう見方もできよう。今期を通してというか、今期まではルビーはまだ子供であった、まだ無邪気な存在であった。もちろん肉体的には年齢を重ねるにつれて大人にはなるが、精神もそれと一致するかと言うとそうではない。特にルビーは前世でも子供であった(とこれを言ってももはやこのレベルの作品であればネタバレにはならないであろう)。ある意味そのまま、その子供のまま人生をもう一度ルビーはやり直したわけであるが、ここに来てもう、それではいられなくなった、ということである。そしてそれが大人になる、といことである。ある意味ルビーは過去の自分を超えたと言えよう。もちろんそれにはある契機があったわけだが、ルビーを心の面で、魂の面で大人にしたのは、それが良いか悪いかは置いておいて「怒り」の気持ちである。そして怒るには多大なエネルギーが必要である。力がなければ、生きる力がなければ人は泣くことはできても起こることはできない。そしてその力、その生きる力は当然ある種の魅力としてその人を輝かせる。そしてそれはアイドルとしての魅力にも当然影響を与えることになる。
アイドルとは、アイドルという存在とはどういうものなのか、これがこの「推しの子」全体を貫く一つのテーマでもある(と個人的には考えている)。ミステリー要素も魅力であるが、それは一つの「仕掛け」に過ぎない。おそらく、第3期はそこも攻めてくるであろう。事実、最終話で公開された新生B小町のミュージックビデオはアニメの中もミュージックビデオという扱いにしておくにはもったいないほどの、それ自体で一つの作品として流していいほどのクオリティに仕上がっていた。「推しの子」第2期では、アニメの中で2.5次元舞台も完璧に描いていたし、アイドルのミュージックビデオも完璧に描いていた。その意味でも、単にストーリーがいいだけの作品ではなく、映像的にも素晴らしい作品であった。早くも第3期が待ち望まれる。