9mmが教えてくれたこと9つ
皆さんは、推しバンドからどんなことに気づきましたか。楽曲から、たくさんの元気や感動をもらったり、メンバーのインタビューで音楽にこめた想いを感じたり、ライブコンサートで伝わる熱意を受けて、生きる喜びをもらえた邦楽ロックファンがいると思います。
ブリの推しロックバンド、9mm Parabellum Bullet(以下9mm)は、ブリに多くのことを教えてくれました。さまざまな出来事や音楽活動で、邦楽ロック、歌声、ギター、ベース、ドラム、歌詞、バンド活動、仲間、団結、向上心、熱意について、ブリの心に印象が残っています。
ボーカリストの菅原卓郎(すがわらたくろう、以下卓郎)、ギタリストの滝善充(たきよしみつ、以下滝)、ベーシストの中村和彦(なかむらかずひこ、以下和彦)、ドラマーのかみじょうちひろ(以下ちひろ)による、4人組のバンドは、結成時からメンバー交代、脱退、加入がなく、現在もこの4人で活動しています。結成から19周年と、バンド名にある「9」なる数字に祝福を上げています。
この記事では、2023年に結成19周年を迎えた9mmのために、ブリが9mmから学んだことを9つ書きました。バンド活動が上手くいく方法、人間関係について考えさせられることをまとめました。
★好きならひたすら進め
9mmメンバーは全員、邦楽ロックが大好きです。邦楽ロックも、洋楽ロックも好んで聞きます。少年時代のメンバーたちは、1990年代の偉大な邦楽ロックバンドを聞き、好きな音楽を聞いていくうちに、自分の音楽を表現したいと思うようになりました。ロックこそ自分を表現するものだと、卓郎は考えました。音楽を表現するため、どうすれば音楽活動ができるか、進路と生活を考えて、行動してきました。音楽活動を続けるには、最低限の生活ができるようにしなければいけないのです。好きなもののために行動するのは、人生を充実させる動機につながります。
★楽しいと思う仲間を大切に
9mmメンバーは、大学の音楽サークルを通して出会いました。一緒に活動するメンバーを選ぶ時、ただ演奏が上手いだけではなく、「一緒に演奏すると楽しいと思う人」を選びました。なぜなら、「演奏がただ上手い人だと、人間関係がうまくいかなくなる可能性がある」と、卓郎は語りました。あと、ちひろは、直感でメンバーの第一印象を見つめて、このメンバーをバンドに加入させたいと、相手に交渉しました。はじめは、メンバー同士ですれ違うところがありました。話し合いを重ねていくうちに、これからの音楽活動と曲作りが見えてきました。人間関係を選ぶことは大変ですが、音楽を通して、人生の楽しみを見つけるきっかけになります。
★向上心を忘れるな
9mmは2004年に結成、2007年にメジャーデビューしました。知名度を上げたバンドですが、デビュー後もゆるまず、活動を続け、自分たちの演奏や歌声をさらに磨き上げました。卓郎はバンドとソロ活動で歌声を磨き、ちひろはドラムの師匠のもとでトレーニングをしました。メジャーデビューは、アーティストの作品が全国流通になるので、大衆が聞いてくれる良質な作品にしないといけません。インディーズ時代、ちひろは「みんなが聞いてくれるものになるとうれしい」と、語りました。デビューは、アーティストにとって、新たな始まりです。9mmは数々の代表曲を生み出すたび、メンバーの向上心を表現してきました。
★自分のかっこ良さを魅せろ
ただ演奏を聞かせるだけでは、バンドの個性を出せません。ステージの動き、表情のような視覚的要素は、楽曲のみでは伝わりません。9mmのメンバーはステージ上ではちゃめちゃな動きを見せます。とにかく大げさに動くので、本当に演奏しているのか、疑われることが多いです。本当に彼らは演奏しています。暴れるパフォーマンスをするようになった理由は、滝が「何か違ったことをしたい」と思って、こうしてはちゃめちゃな動きをするようになりました。ギターを置いて、どこかへ走る滝。気がすむまで叫ぶ和彦。暴れる2人を見守りながら、演奏を続ける卓郎とちひろ。ロックなる、感情の衝動を響かせる音楽を体全体で表現するのが、9mmの個性です。誰にもマネできない表現を持つのが、良いバンドのしるしです。
★楽器を大切に
9mmはステージ上で、はちゃめちゃに動きます。でも、邦楽ロックの衝動を表現して、観客と共感する動きがバンドの魅力です。そんな激しい動きのなか、バンドの約束事があります。それは「楽器を決して壊さない」ことです。暴れることを提案した滝は、「楽器の職人が丹精こめたギターやアンプを壊すのは、職人への敬意がない行動だ」と語りました。物の扱い方は、その人の心を見せる行動なのです。9mmのメンバーは、常識の範囲内でほどほどに暴れています。あまりばてないように、健康に気をつけながら、パフォーマンスを見せています。
★やりたい音楽を突き通せ
ブリたちは2000年代、2010年代、2020年代の9mmを見てきました。19年の活動のなか、邦楽ロック界は大きく変わってきました。9mm結成当時の2000年代は、ギターロック中心の作風だった邦楽ロックでした。2010年代からはダンスミュージック作風の邦楽ロックになり、2020年代はキーボード中心の作風になったオルタナティブロックが盛り上がっています。9mmは変わっていく邦楽ロック界のなかで、自分たちの音楽に流行の楽器や音を入れることはしません。常にギター2本を中心にした、ギターロックの作風を保っています。大衆に受ける流行に合わせた楽曲にするのではなく、自分たちの作風を保ちながら、新たな楽曲を作り続けています。
★恐れずに挑戦しろ
9mmがメジャーシーンで活動していくなかで、表現したい音楽を作りたくても、周辺の人間はそうはさせてくれません。メジャーシーンの音楽は経済行為があるビジネスなので、事務所とレコード会社はアーティストの作品を売って、広める仕事をします。売れないと首になる、厳しい世界です。自分たちの立ち位置を保つために、大衆向けの楽曲を作る一方で、自分たちが本当に表現したい音楽を奏でてきました。事務所移籍後の9mmは、自分たちの活動に責任を持ちながら、良い楽曲を作ってきました。若い時には、「こんなバラード曲を作るのは売れないバンドのよう」と言われた時がありました。本当に自分が表現したい音楽を控えずに、挑戦していくことが大事です。
ちなみにそのバラード曲は、彼らの代表曲『カモメ』です。長く温めていた楽曲でした。
★絶望の中に希望はある
9mmが活動している間、数々の危機がありました。音楽不況、天災、感染症問題など、邦楽界と社会問題、自然の不可抗力がありました。9mm自身にも、流行の衰退、事務所移籍、メンバーの故障、感染症対策など、バンド運営にもさまざまな課題がありました。どの課題も、長く音楽活動をしていくなかで、誰もが面することです。神様ですら、答えを教えてくれません。立ち向かうのはメンバー達しかいません。メンバーは誰も欠けず、どうにか乗り越えてきました。数々の課題は、バベルの塔のように難しいものでした。向き合ってきたなかで生み出された、楽曲たちに当時の心境が現れています。その音楽から、「絶望のなかには希望はある」と、教えてくれます。
★周りに思いやりを持って
音楽活動は、ただ演奏するだけはありません。周りのバンドたちやファンに出会い、ファンを優しく迎え、他のバンドたちと熱く楽しい時間を過ごします。音楽を通した出会いで、多くの人々と交流し、メンバーはたくさんの応援と感謝を受け取りました。ステージの外でも、人の姿勢や思いやりは大切です。思いやりは自分にも、相手にも返ってきます。
邦楽ロックファンだけではなく、故郷の人々に感謝したことがあります。9mmの故郷である、東北地方の山形、宮城、長野、関東地方の茨城で、凱旋ライブをしたことがあります。音楽活動は、人々との大切な機会なのです。
★まとめ
以上、9mmが教えてくれたことをバンド名にちなんで、9つにまとめました。ブリが学生時代に9mmを知り、邦楽ロックの世界に飛びこんだのが、今のブリの邦楽ロック愛を築き上げた出来事です。9mmから、数々のバンドたちに出会い、邦楽ロックの世界を広く知りました。現在だけではなく、彼らが過去に見た、偉大なロックバンドたちのことを知るきっかけにもなりました。メンバーが今日まで活動していることが幸せです。
最後に、9mmの歌詞で最も印象に残る、素敵な歌詞を書きます。出会いと別れのなかで、4人が出会った奇跡、ブリが音楽と出会った偶然を感じる言葉でした。いつだって9mmを聞くたび、その時の衝動と熱を感じます。「9」という数字にめぐり逢ったことを忘れません。
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