変化率チャートに出来高差インジケータ
上図は2019年3月12日の日経平均、225先物、ダウ、ドル円の変化率複合チャート(15分足)です。フランスはFTSEやDAXの替わりです。(トレステにはFTSEやDAXが無い!)
インジケータは、世界時間を色分けしてサブグラフに表示するONK3Stage-SGと、出来高差を表示するVolumeDifferenceを使用しています。
出来高差
VolumeDifferenceの出来高差とは何の事を指しているかを説明すると、トレードステーションでは上昇出来高、下降出来高と云いますが、ここではその2つの差分を出来高差としています。一般には「買い約定」「売り約定」といいますが、この2つの差分を見る事で、相場の参加者がどちらの方向を志向したかが分かります。
買い約定と売り約定
少し「買い約定」「売り約定」について説明します。
売り手と買い手が希望の価格を並べているのが「板」と呼ばれるものですが、そうやって注文だけが並んでいても何も起きません。
何故価格が動くのかを説明します。
相場には、板に注文を並べている人達の他に、もう一種の人達がいるのですが、それは、板には注文を出していないけど、チャートを見つめながらどこで取引するか考えている人達です。
この人達がチャートを見ているうちにその気になって、板に自分の注文をぶつけて落札する時、価格は動きます。つまり「成り行き」で買うので、気配値の一つ上とか一つ下の価格になるのです。
こうやって板を動かした取引を「買い約定」「売り約定」とか言います。
出来高差の解釈の仕方
なるほどそれなら買い約定が多ければ上昇するし、売り約定が多ければ下降すると考えれば良い事になります。
はい、基本はそうなります。
ここで再び上図に戻ります。
この日は上図にあるとおり、日経は上昇しながら売りを増やしていったと解釈できます。素直に考えて、皆が高いと感じたから売られたと考えて良いでしょう。
下図は13日のものですが、今度は逆に買い戻されています.
分り易いです。
ただインジケーターの製作者としては、ご注意申し上げねばならない事があります。
それは、このように後で相場を振り返って考える分には大変有効ですが、リアルタイムで判断するのには中々に難しいということです。
最初の12日の上昇チャートを詳しく見てみて、私は次のように解釈しました。
1.前場の最初の高騰で大きく売られた。この時点で既に高く感じられており、利喰われた。
2.追撃で売りを入れた人達がいたが、売り手は増えなかった。
3.出来高が減少し、僅かな買いで上昇が作られ、追撃売りした人達は踏みあげられていった。
4.後場最後の踏み上げが終わり、買い手も増えない為、やっと売り手が勝って下落した。
つまりほとんど売り手の力で逆に上げていったような事です。
なのでリアルタイムでインジケータを見ていて、売りが増えそうだから良し追っかけようなんてやっていた人達は、次々に踏まれたのではないのでしょうか。
このサンプルからの教訓は、合計出来高の増減(図では黄色の折れ線グラフ)に注意を払わないといけないということですね。
合計出来高が減った状態というのは、わずかな力で相場が動いている状態なのだという基本的な認識が必要です。
出来高差ヒストグラムを、単純にMACDのようなプライスアクションを示すインジケーターと勘違いして使うと、大きく間違いますので、ご注意願います。
プライスアクション+出来高で価格を分析される方には有効なインジケーターであると思っています。
私の場合は、価格の予想そのものに使用しているのではなく、相場の参加者の志向性=高いと思っているか、安いと思っているかを見るのに使っています。実際にはこの例のように高いと思っている人が多くても、上がる時は上がります。
是非有効にご活用ください。
トレードステーションのインジケーターを製作しています。 初心者の人でも使えるなるべく簡単で、役に立つインジケーターを目指してます。 オフィシャルサイト:https://plot1.site/