『Love Sweets』


そうか!匂いだ。匂いで彼女たちは選んでいるんだ。

と気づいたボクは、

年齢、職業、血液型などなどありとあらゆる

角度から調べたところ、


『テストステロン』が多い男性が

やはりモテる傾向にある。

そして、男性は上品で甘い香りを好む人が多いらしい。

という話をきき、

ボクの好奇心がうずうずして落ち着かない。

本当かどうか試させてとココロがうるさい。

 

それに、うまくいけば、昭和時代からの悩み、

少子化問題も解決するはず……。

そう。コレ(『Love Sweets』)が

無事完成し、自分の想い人に

「飴」か「飲み物」という形で


それを体内に取り込ませることさえできれば、

100%両想いになれる。
  

しかし、そのためのサンプル(男女)が足りない。

そこで、僕は、『龍の館』に手紙を書き、

『月の羽衣』から「綺麗な天然石(いし)」を受け取った。


ひとつは、トルマリン。もうひとつは、クンツァイト。

トルマリンは、全てのチャクラに働きかける、

活力と勇気を与える天然石(いし)。

 

そして、クンツァイトは、

包み込むような暖かい愛を象徴する

と言われている。
 

そう。今回、サンプルになってもらう人の特徴が

天然石というカタチを借り、「データ」として

我が研究所へきた。

そこで、いつものように、この天然石から
データ(エネルギー・DNA情報など)だけを抽出し、

互いが惹かれ合うようになる香りに包み、
『Love Sweets』を完成させた。

しかし、すぐ一般販売するのは、心配だ。

そこで、たかはしと
上司の僕がモルモット(サンプル)となり、
その効果を逐一報告することになった。 

これは、あくまで、「しごと」のはずだった。
なのに、データ収集が終わっても離れたくない。 

用がなくても会っていたい。
たとえ、仕事でも他の男と
一緒にいるところなんて見たくない。

ボク以外の男の前で、
笑顔で楽しそうな顔なんてしないでほしい。
と思ってしまっている。 

いけない。ボクは上司だ。しかも、バツイチ。
彼女は未婚。結婚適齢期。

こんなおじさんに、そんな目で見られても迷惑なだけだ。
そう思い、ドライな接し方をしていると、
ある日、彼女の方から声をかけて来た。

その誘い方が、あまりにも上品で甘くて
エロくてセクシーだったものだから、
ついボクも誘いに乗ってしまった。

これも「データ収集」と言い訳しながら……。

そして、それからというもの
「時間外のデータ収集」を僕らはすることが増え、
距離が縮まっていった。

しかし、ここで問題が。
『Love Sweets』は、『飴』タイプなら1粒3時間
『ドリンクタイプ』なら1本2時間までしか、効果が持続しない。

だから、効果を持続させるには、
常に課金して使い続けるか、

本気で好きになって『Love Sweets』とか関係なく
恋に落ちてしまうかしかない。 

そして、「本気で好きになった場合」のケースは、
僕らがはじめてとのことだ。

つまり、この実験、
ぼくらの恋愛、結婚がうまくいけば、

全世界の恋愛難民、
結婚難民を救えるかもしれない。

そして、もちろん、
少子化問題も解決していくだろう。 

そういう世界を見るためにも僕らは、
本気で恋をする。

匂いは、そのための試験。
リトマス試験紙なのだ。

そして、見事合格した僕に、
天使がボクにキスをしてくれた。

はじめましてたかはしあやと申します。 記事作成・キャッチコピー・タイトル付けを 生業としておりますが このままだと止めないと いけなくなるかもという位 金銭的に困っていますので、 サポートをしてもらえると 泣いて喜びます。 どうぞよろしくお願い致します。