刺しゅうデータの互換性
現在、私はブラザーの刺繍データ作成ソフト『刺しゅうPro』を使ってデータを作成し、同社のミシンで刺しゅうを縫っています。たのしい。
でもどうせ作るなら、自分だけじゃなく他の人にも使ってもらえると嬉しいので、noteの有料記事機能を使って頒布をしようと考えているところです。
ところで、刺しゅうミシン業界には『拡張子の壁』があり、メーカーごとに別々の拡張子ファイルが必要になります。たとえば、ブラザーなら『.pes』、ジャノメなら『.jef』などなど。
noteで刺しゅうデータを頒布するにあたり、できるだけ多くの人に使ってもらいたいので、この『拡張子の壁』はできれば超えておきたいと思いました。
ありがたいことに、それはすぐにでも叶えられそうでした。『刺しゅうPro』の機能を確認してみると、作成したデータを別の拡張子ファイルへと変換できる機能があり、ほかの変換ソフトを頼らず『拡張子の壁』を超えられる親切設計になっていたのです。
しかし、いざ変換してみると、データが書き換わってしまう問題に突き当たりました。
元のデータ。
これを別の拡張子に変換すると……。
しかしこれなら可愛いもので……。
最大5色使用を意図している5つのパーツ分けは保たれているので、データとしては無問題なのですけれど、ここまで違う配色になると驚いちゃいますね。
ネットで読んだ感じだと、タジマのような古くからある工業用ファイルには色情報が含まれていないみたいです。工業用の刺しゅうミシンは多針の機械なので、そちらで指定するとかなんとか……。なるほど納得です。
しかも別のデータではこんなことが起こりました。
変換したら、元は別々だったオブジェクトが同色に変わってまとめられてしまい、刺しゅうの工数が変わってしまいました。
これでも形は保たれているけれど、作成者として意図したものではなくなってしまっているので、ダメですね。
なので、元データに戻って、化けない配色を選びなおしました。
という感じで、互換性に配慮しながらの刺しゅうデータ制作は、意外と手間と時間がかかるんですね。しかも手元に他社製の実機がなく、テスト縫いもできない現状なので、互換データの頒布はやめておいたほうがよさそうという結論に至りました。
将来、要望とかが出てくることがあれば、段階的にやっていこうかなというところです。
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