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続きを綴る

島風ひゅーがさんの自由律俳句
とてもおもしろかったので
勝手ながら続きを綴らせていただきました

深夜二時の貨物列車の音
静寂の中雨が降り出す


洗濯機の音を聴きながら春眠
脱水の音が夢のしずく絞りとる


美しい夢でも見たような顔して
汚れた現実をひたすらに隠す


足元を見ると暗闇が続いている
そして僕は足をとられる


時々にゃーと鳴きたくなる
シャーと威す自分に疲れはて


天井を眺めていたら猫が飛んだ
いびきで目を覚ます自分に驚く


猫の真似して足で顎掻く
犬はそれに違和感を憶える


俳句の道を外れた私
いつか俳句が私について来る…かも…


俳句の道を外れた私
いざ俳句よ私についてこい


自由律の俺と有季定型の妻
それに惹かれる間に季節は巡りゆく


腹を探ったら何も無かった
「純真無垢」を「無知蒙昧」と批判する時


妹がいることを忘れていた
弟になったキミが自然だったから


真面目に怠けるか桜桃忌
それでも太宰は筆をとる


休養休養が口癖
暇な自分を嘆く裏側


やべーやべーが口癖のおばさん
その日暮らしを楽しんでいる


どちらかといえばネガティブ
…と自己分析するポジティブ


食べるのが面倒だ
ナマケモノの空腹


二十年間片想い
二十一年目の結婚記念日


四畳半より愛を込めて
まずはそこから抜け出そか


「俺はモテる」と書いた貼り紙
嫉妬の彼女に剥がされる


又吉直樹に似たコンビニ店長
髪を結べと叱られる


美人と思って見上げれば
その勇気が誰かを救う


大人の階段を転げ落ちた
それでも歳とる誕生日


最善策は常に退却
次善の策も既に忘却


プラシーボ効果も無かった
そんな薬屋のひとりごと


同じ本を二冊買ってしまった
前を向く練習をしよう


焼き餅が焼けず淋しい
一途は時に人を狂わす


くしゃみ三連発して春近し
四連発で春は遠のく


冷たくされたのに惚れている
そんな私に惚れなおす


きみの笑顔で春一番が
桜を起こしにやってくる



島風ひゅーがさん
ありがとうございます

あたたかな場所を知る地域猫
春一番の行く末を見守る

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