【DIG THE DESIGNER special】vol.1 カクテルメイク きなこさん<学習編>
こんにちは、PLAY THE DESIGNERの長島です。PLAY THE DESIGNER(以下、PTD)と姉妹サービス「デザミツ」との連動企画がスタートしました!その名も【DIG THE DESIGNER special】。未経験や異職種からデザイナーとなって活躍中の“あの人”にインタビューし、自分なりの学習方法や、転職・就職における経験談をお聞きしていきます。
初回となる今回は、銀行員から未経験でデザイナーとして転職し、活躍中のきなこさんにインタビュー。PTD公式noteでは、その前編として<学習編>をお届けします。
■周囲との比較、転職への不安。自信を失うこともあったデザインスクールでの学習時代
ーーよろしくお願いします!最近、所属されているカクテルメイクさんでもインタビュー記事がリリースされましたよね。「『こんだけやってたらなれるっしょ!』って変な自信があった」という言葉が印象的でした。
きなこ:実はあの言葉には理由があって…(笑)。もともと何も知らずに「WEBデザイナーになりたい」と考えるようになったので、どうやってなるのかも、ソフトの使い方も、全くわからない状態からのスタートでした。でも調べていくとデザインスクールがあることがわかり、そのスクールに説明を聞きに行ったら、「卒業後は転職先を紹介します」と。そうして色々知れたことで、「最初はとりあえずスクールに通って、言われたことにしっかり取り組んでいれば、きっとWEBデザイナーになれるはず!」という意味で“自信があった”んです。
カクテルメイクさんでのインタビュー記事も必見
ーーなるほど!「レールを用意してくれているから、これに乗ればきっと大丈夫」という“自信”だったんですね。
きなこ:カリキュラムが用意されていたので、一つもこぼさずに真摯に取り組めばゴールに到達できると思えたんです。他にも、人から勧められたものは自分で勝手に絞り込まず、とりあえず良さそうなものは全部やりきるスタンスでいたのも良かったかもしれません。「やるべきことをやれば、なんとかなるはず」というポジティブ志向ですね。
ーーレールを示してもらった後、自分で調べてみてその考えは変わりましたか?
きなこ:そうですね!調べていくうちに様々な記事に触れるようになり、デザイナーにはSNSをやっている人が多いことにも気付きました。それで自分もSNSを始めたら、視野が広がったことで「スクール以外でも知識をつけたほうがいいかもしれない」と思い始めたんです。自信があったところから、逆に「スクールのカリキュラムだけ真面目にやっていても、本当に自分の目的を達成できるのだろうか」と不安を抱くようになりましたね。
ーーその不安は、具体的にどんなものだったのでしょう?
きなこ:SNSでは初学者で頑張っている人がたくさんいて、皆どんどんアウトプットしているんです。私よりもずっと作りこまれていたり、同じ学習期間なのに視野が広そうに見えたり…自分と比較してしまったんです。あとは、「本当に卒業後、デザイナーとして就職先が見つかるのか」「自分で決めた目標に対して、ちゃんとアウトプットを続けられるか」の2点もやっぱり不安でしたね。
■数か月後の目標から、毎日のタスクに落とし込む
ーー不安があったとのことですが、それでもきなこさんは自分で考えて、決めて、そして動いてきた実績がありますよね。自分で決めた目標に対してアウトプットを続ける、その秘訣はどこにあるのでしょう?
きなこ:転職という目標に関していうと、「3か月後に退職する」と決めていたので、そこから毎月単位、毎週単位、毎日単位まで落とし込んで計画を立てて行きました。そしてそれが達成出来ない場合は、「明日からどう変えればいいか」を考えるようにする。やるべきことが終わらず、繰り越されていくことは全然ありました。でも、それが毎日2,3だったのが4こ、5こ…となっていく場合は、そもそもの計画が間違っている可能性が高いですよね。そういう時は、自分の限界をきちんと把握した上で、次の週にやるべきことを調整します。この方法は現在でも続けています!
ーータスクを細かく分解する方法はとても参考になります!そもそもの大目標の設定に、迷ったり悩んだりすることはありましたか?
きなこ:悩みだしたら止まらない性格なので、人と話したり、誰かの力を借りることも多いです。でもそうして徐々に「こうなっていたい」というイメージが自分の中に出来てくると、そのためには何が必要かを定め、無理がないけど負荷もかかる、いい具合のステップを組み立てられるのかなと。
ーー目標に迫るためには、日々習慣的に取り組むルーティンも重要ですが、きなこさんはそこは得意そうですよね。
きなこ:実は、「何かを決めて続けること」が苦手だったんです!スクールに通うことにしたのも、実はお金をかけることでそれを強制的に直したいという狙いもありましたね。
■失敗もすべてオープンにすることで得たもの
ーーきなこさんといえば30日連続トレースですよね。どうやってモチベーションをキープしていたんですか?
きなこ:やっぱり最初の10日ぐらい、すごく辛かったんです…!なので、人からみたら意味がなくても、自分にとっては楽しい要素を敢えて取り入れました。もともとイラストを描くのが好きだったので、トレースの周りにイラストを描いてみたり、画像として楽しめるようなコンセプトでやることにしたんです。毎日トレースするのは苦でも、それがあれば毎日イラストを作れるということが、モチベーションになっていましたね。
きなこさんの30日間の奮闘の記録はこちらのnoteから
ーーなるほど!どこかの時点で、トレースの楽しさが上回る瞬間は来ましたか?
きなこ:前半はイラストとトレースだけでしたが、20日目ぐらいから「何故このアプリが良いのか」を言語化して書きたいなと思い始めました。そこから最後の10日間ぐらいはテイストが変わり、習慣化のリズムも作れていたので、そのあたりが逆転した瞬間かもしれません!やっぱり最初の数日がきついんですよね(笑)。でも、本当にやってよかったと思っています。
ーー見てくれる人も多数いたと思いますが、どのような反響やフィードバックがありましたか?
きなこ:誰かが見ても見やすいように画像にまとめていたので、「見やすいね」はよく言ってもらえました。あとは、トレースでも自己流が入ってずれてしまうケースもあるようなんですが、「ちゃんと正確にトレース出来ている」と言われたことも嬉しかったですね。
ちなみに私はグラフィックにこだわってトレースをしていましたが、トレースってそれぞれに目的の違いがあるので、話す時にかなり迷うんです。でも、自分のトレースを世に出したことで、色々な人がどういう狙いでトレースをやっているのかを知ることが出来た。そういう意味でも、継続的にアウトプットをしてよかったと思っています。トレースについては人それぞれ考え方が違うので、自分の目的をどこに置くか次第なのかなと。
きなこさんが最初に定めたトレースの目的
◇トレースが有効な手段かどうかは、目的次第(ツモマー)
僕もよくトレースは見ますが、ポイントは「再現性」と「自分だったらどうするか」というところ。あとは影の付け方などに、その人が2Dで見ているのか、プロダクトとして3Dで見れているのか等が現れると思っています。
ちなみに僕はトレースしなくてもいい派。昔適当にやっていたら「ちゃんと構造を掴みにいかないと!」とめちゃくちゃ怒られて(笑)。で、そもそも構造を掴みにいくなら、目で見て盗んで頭の中でも出来るから、それが出来るならしなくてもいいのかなと。でも、ツールになれるためにやっている人にとってはとても有効な手段だし、やはり目的次第なんですよね。
ーー本当に30日継続できたのは凄いですよね。自分としても、スキルアップを感じる瞬間があったのではないですか?
きなこ:30日たって初回のものを見た時は、「なんじゃこりゃ!」ってなりましたね(笑)。ボタンの大きさはどうしよう、アイコンは何ピクセルがいいんだろう、等と本当に何ひとつわからずに作っていた第1回を見返して、色々と気付けるようになったのは、スキルアップを感じた瞬間です。
ーー外に出し続ける習慣によって、自分を奮い立たせているところはありそうですね。きなこさんは、その中で失敗もかなりオープンにされていますよね。
きなこ:私の中では、良く出来たものだけ見せて「凄い!」と言ってもらうのは逆にストレスになるので、ボツ作品も全部出すスタンスでやっています。トレースでは、見た目以外の部分の課題点は自分でも理解していたので、自分の考えや出来ていないこともオープンにしていました。
個人的には、失敗作を出すとアドバイスをもらえることがあるので、むしろ積極的に出していきたいんです!そこでアドバイスをもらえると、「やらなきゃ!」と思うきっかけにもなりますよね。社外の人に「私のデザインにフィードバックください!」と言うのは、その人の時間を奪うことにもなるのでおこがましく感じてしまう。だから、何でもTwitterに載せることで、優しい人たちにアドバイスをもらっていたというのが裏の理由ですね(笑)。
▼後編<転職編>に続きます▼
Interview&Text:Shiho Nagashima
※2021/3/1追記: 新規受付は停止いたしました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?