過去の自分は“失敗“?
こんばんは!アラタです!
夏の終わりが近づいてきて、あっという間だなあと感じ始めています。
そんな今日のテーマは「過去」!
過去に戻りたい?
「過去に戻りたいって思ったことある?」
こんな質問をされたことはありますか。
誰でも、一度くらいは聞かれたことがある質問だと思います。
では、僕の答えはどうなのか?というと「No」です。
もちろん、「過去に戻れたら・・・」と考えたことが全くないわけではありません。
今日は、そんな僕の過去について書いていきます。
自分を責めた5年間
僕は、中学1年生の時に一人、上京して施設で生活しながら東京のろう学校に通っていました。
小学6年生の時に中学受験をし、見事に合格して期待を胸に入学しました。
初めての東京の友達、学校、体験・・・。
順風満帆な毎日を過ごしていました。
それが変わってしまったのが・・・忘れもしない2011年7月11日。
学校の近くの様々な場所で2日間、職場体験を行う予定で、僕の職場は眼鏡屋さん。どんな仕事ができるのか、ワクワクしていた初日。
朝、目が覚めていつも通りに制服を着ようとベッドから立ちあがろうとした時。
体が全く動かない・・・・・・
どれだけ、必死に動かそうとしても、体は動いてくれませんでした。
刻々と過ぎていく時計を見ては、「どうして?」そればかり、頭の中を巡りました。
その日から、僕は学校に行けなくなりました。
みんなが学校に行っているのに、一人ベッドの上でぼーっとする日々。
その間、自分なりに学校へ行けないのはなぜなのか考えました。
人間関係?
部活?
勉強?
色々考えても、原因は全く思いつきませんでした。
そんな僕に、施設の職員は勉強を教えてくれたり、相談に乗ったりしてくれました。だからこそ、逆に学校に行けない自分に苛立ちが募りました。
そして、毎晩みんなが寝ている隙を狙って、2階の端にある非常階段に行って景色を眺めるようになりました。
「明日なんて来なければいいのに」
そう思っていても、明日は当たり前のようにやってきて「学校に行けない僕」という現実を突きつけました。
生きようと思えた夜と自分との闘い
学校に行けなくなってから3〜4ヶ月が経った頃に同級生のみんなから、メッセージカードが届きました。
「待ってるよ!」
「元気してる?」
そんな言葉がたくさん綴られていることが嬉しかったけど、自分はみんなの期待に応えられない。
じゃあ、そんな僕ってなんなんだろう?
自分がいることに意味を見いだせなくなってきた、ある日の夜。
深夜2時過ぎに自分の部屋の窓を開けて、手すりの上に立ち、目を閉じる。
もう何も思い残すことはない。
深呼吸して、飛び降りようとした時に、あのメッセージカードの中からたった一つ
「いつも笑顔の奈良さんが好きです。いつも笑っていてね」
このメッセージを思い出し、涙が止まりませんでした。
何もない自分のはずなのに、それでも「好き」だと言ってくれるその言葉を
どこかで僕は、待っていたのかもしれない。
そこから、「生きたい」とはっきり思うようになり、少しでも、何もない自分を変えようと、もがき続けてきました。
時には、冷たい視線にさらされることもありました。
野球部員から
「みんな野球の練習頑張ってんのに、お前何やってんだよ。
送別試合来るなよ」
そう言われました。その時、隣にいた先輩がその子の頭を軽くたたいて
「ばか、お前何言ってんだよ。送別試合、来ていいから」
強く言ってくれたことがありました。
そして、中学3年生の頃に、小学高学年の時に通っていた、埼玉のろう学校への転校を決意しました。
それなのに、学校に行ったり休んだりの繰り返しで、状況は前と変わらずじまい。
高校生になって義務教育から単位制になり、欠席時数も膨れ上がるほどでした。
担任の先生からは、
「これからどうしたいんだ?」
そう聞かれた時、はっきり答えられない自分がいました。
それでも
「同級生のみんなと卒業したい」
その思いだけで補習漬けの毎日を過ごしました。
本来であれば、留年になってもおかしくない僕に先生たちは、僕の手を離さないでくれました。
ついに、高3で完全復帰を果たし、同級生のみんなと卒業することができました。
学校に行けるようになったきっかけはよくわかっていないのですが・・・。
過去さえも愛しくありたい
僕はこの話をするたびに、
「だったら、その不登校になる前に戻ってやり直さないの?」
そう言われがちです。
でも、僕はそんな過去を「失敗」と思っていません。
むしろ、「経験」を得た「成功」だと思っています。
この経験がなかったら今の自分はいなかったかもしれない。
今の自分だから出会えたこと、出会えた人たちがいる。
だから、僕は過去には戻らないで“今“を進んでいく。
今日は過去をテーマに書きました!
では、また明日!!
*連載小説『キミの世界線にうつりこむ君』
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