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記事一覧
【短編小説】夜船は盲目か
夜か。
田舎の夜ってのはこんなにも暗いもんなんだな。実家の夜に慣れてると夜にも驚けるんだ。体を動かす事はなく、視線の先にあった天井の姿を思い出していた。秋の涼しさを薄っすらと感じる。
祖母の家に泊まったのは小学生ぶりだ。祖母とは新年になる度に会っているが、この家の縁側の温もりを感じるのは久し振りと言うにはあまりにも遠過ぎて新鮮さすら覚える。
祖母は僕と会う度に大きくなったねぇと言う。祖母の身体
【短編小説】さようなら。キリギリス
アリとキリギリスって話あるだろ?
あれは人間の才能っていうか、変えられない『差』ってやつを風刺してるもんだと思ってる。キリギリスは孤独だ。だから飢えた。でもそのまま飢え死んだとしても誇り高い死になるだろう。そうやって『差』ってものは意味合いすら変えちまう。美人だから許される行動、頭の良い奴だから美談になる話、金持ちだから出来てしまう事。
人間ってのは十人十色だ。
だから優劣が出来る。
だから罪を重