大人の「学び」と出会い直す@Denmark
自己紹介(Maiko)
こんにちは、Maikoです。突然ですが、私は「学ぶ」ことが大好きです!
子供の頃から本が大好きで、母に図書館に連れて行ってもらっては上限6冊まで本を借り、一気に読みました。偉人の伝記、星座の本、歴史の本、小説に古典まで、意味はよくわからなくても、知らない世界に触れた気がしてとても楽しかったのでした。
大学を卒業するまでそんな調子だった私は、社会人になって数年経っても「学び」のワクワクが恋しくて恋しくて。現在は働きながら大学院に通い、年の離れた同期たちと楽しく学んでいます。
フォルケホイスコーレで恋に落ちる
そんな学びオタク(?)の私は、デンマークに「大人の学び」のための学校があると噂で聞き、興味を持っていました。そう、北欧を中心に行われている成人教育機関「フォルケホイスコーレ」です。
フォルケホイスコーレとは
デンマークの牧師・教育者・作家・詩人でもあるN・F・S・グルントヴィが提唱した理念に基づき、19世紀に農村で発達した民衆のための学校だそう。高校卒業後のギャップイヤーで利用する若者から、キャリアの見直しをする大人まで、様々なバックグラウンドを持つ人が集まります。
特徴は、「対話」の重視。試験や単位、成績は一切なく、社会に求められるスキルではなく、自分の興味関心にしたがい学ぶことを大切にしています。
私は、デンマークの教育や政治やビジネスを学ぶスタディツアーに参加し、短い時間でしたが、初めての「フォルケ体験」をして恋に落ちました。
当時、開校に向けて準備中のフォルケがあり、その中心メンバーであるKathalinaとCicelが、準備中の授業の魅力を短時間で伝えるワークショップを設計してくれたのです。この日のテーマは「民主主義」です。
体験1 芝生でチェックイン
よく晴れた秋の朝、私たちはコペンハーゲンから車で1時間ほど離れたロラン島にある、緑に囲まれた小さな校舎に招かれました。
芝生が生い茂る地面に皆で輪になって座り、ひんやりと心地よい風を頬に感じながら、チェックインがスタート。その場で跳んだり回ったり、自由に身体をリラックスさせます。スニーカーごしに感じる芝生は柔らかく良い匂いがして、つい靴を脱いで裸足になる人も。順番に、今の気持ちや体調を素直に話します。よく眠れなかった、緊張してるけど楽しみ、疲れてる、など。
体験2 皆で歌おう
デンマーク語の民謡と、日本語の民謡(「上を向いて歩こう」、海外ではSUKIYAKIと呼ばれています)を、交互にその国の言葉で歌います。デンマーク語はわかりませんが、KathalinaとCicelの歌うリズムと音を追いかけて真似します。日本語の時は二人が真似しやすいように大きな声で歌います。
言語やその意味以前に、身体をもちよってその場に参加し、相手と関わろうとする。対話をうみだすための柔らかい空気が、すでに漂っています。
体験3 民主主義ってなに?
KathalinaとCicelが民主主義について語ります。デンマークの人々にとって、民主主義は重要であること。多数決ではなく、みんなで納得するまで対話して物事を決める姿勢であり、だからこそ時間と手間がかかるのだそう。
すでに1時間近く時間をかけてお互いの調子を確認し、歌を歌い、声を聴いてきた私たちには、その言葉がすんなりと入ってきました。
体験4 ワークショップ
民主主義を体験するワークショップが始まります。4人1組のグループになり協力してサンドイッチを作るのですが、1人1人異なる設定を与えられます。例えば「生野菜に触ることができない」「誰かが意見したら常に反対しなければならない」など。設定の内容はグループの他のメンバーには明かすことができません。4人はお互いに、「この人はどんな設定を与えられているのだろう?どうすれば前に進める?」と想像し、対話を重ねながら、制限時間内に一つのサンドイッチを作ります。
恋に落ちたポイント
目の前の相手は、自分の知り得ない背景をもとにその場に参加している。
理解はできない、けれど想像しながら、相手と関ろうともがく。
完璧なサンドイッチはできなくても、対話をつうじて「最上の妥協」をし、皆で食べられるサンドイッチを作る。この体験は「民主主義=選挙」というイメージくらいしかなかった私に、それぞれの事情・考え・身体をもちより共に社会を作ることについて、多くのことを考えさせてくれました。
日々の生活で、仕事や家庭で、多数決ではない形でみんなが納得できるためにはどうしたらいい?
階層化や管理主義に陥らず、物事を前に進めるためにはどうしたらいい?
そんな問いが、あのワークショップに参加してから1年以上経過する今も、私の頭をもたげています。
「学び」の変容
デンマークのフォルケホイスコーレは、私が「学び」を好きな理由に異なるレイヤーがあると気づかせてくれました。
私にとって「学び」とは、
わかることを増やすのではなく、わからないことがあると気付くこと。
役立つ知識を積み重ねて固めることではなく、思い込みの数々を問いや関心で柔らかくすること。
社会に出る準備ではなく、社会の中で生きることそのもの。
Playful Dialogueについて
Playful Dialogueは、そんな私なりの「学び」を、対話相手であるKeikoさんと雑談のように重ねていく試みです。
私たち共通の推し!であるデンマークを話題の中心にしつつ、おそらく会話は脱線し、あちこちを飛び跳ね、噛み合わないながらも進んでいきます。
遊びに満ちたKeikoさんとの対話が、私には心地よく、発見に満ちています。
読んでいるあなたにもその楽しさが伝染したらいいな、そうして誰かの日常とささやかに交わることがあったらいいな、と願っています。
to Keikoさん
ワークショップ、Keikoさんと参加しましたが、最高でしたね!
Keikoさんはどんなことを感じてましたか?
1年くらい経ちますが、何が心に残っていますか?
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