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2024.11.29-12.1 やんばるの森で深呼吸 沖縄合宿 【前のり/沖縄文化編】(研究生日誌/豊田ゆきの)

合宿の日程より2日前に沖縄入り。
まずは、ひとりぶらっと空港からやちむん通りに行ってみることにした。
平日の昼間だからかオフシーズンなのか、ほとんど観光客はいない。
4~500メートルの少しくねった小道は石畳で、そこに小さな焼き物店が軒を連ねている。

私は沖縄のやちむん、栃木県の益子焼や大分県の小鹿田焼などが好きで普段でも使っている。少し前にお気に入りのやちむんが相次いで割れてしまい、また新しい器との出会いも楽しいだろうなと思いながら石畳を歩いた。

お店に並べられている陶器は、それぞれそのお店によって個性があり、同じ沖縄の器でも表情が違っている。それをひとつひとつ味わうのがとても楽しくワクワクした。

石畳が素敵な やちむん通り
個性豊かな陶器が並ぶ

その日は首里城近くのペンションに泊まり、ゆっくり過ごす。
沖縄市街が一望できる素敵なお部屋。
夕食は手作りの沖縄料理とペンションのご夫婦やほかの宿泊客と共に、泡盛の古酒を美味しくいただいた。

お部屋からの眺望

翌日午前中は、紅型染め体験!
沖縄の紅型染めは、なぜか子供の頃から興味があった。
その頃は、あまり鮮やかな紅型染めよりワントーン落ち着いた色合いのものが好きだったが、年を重ねた今は、むしろ王族の衣装に見られるような目の覚めるような色合いに心惹かれる。

体験は、お弁当箱が入るくらいの小さなトートバックを選んだ。
その時間の申し込みは私ひとりだったようで(ラッキー!)、先生が丁寧に指導してくださった。
60分の想定時間が実際は90分以上かかったが、まだコツはつかめないまま。
もうちょっとやりたかったぁ!

2本の筆を直角に持って、
紅型染めの醍醐味 ぼかしの部分に挑戦!

染付けあとの工程は、4日のちにアイロンで熱をかけたり糊を洗い流したりして仕上げる。
沖縄合宿から帰宅後、ちょっとドキドキしながら…沖縄の余韻を楽しみながらやってみる。
そうすると、鮮やかな牡丹の花とグラデーションの波とそれに戯れる黒猫が浮かび上がってきた。
「わっ!できたぁ~」
何とも言えない瞬間だった。

紅型染め独特のぼかしの部分、表現がやっぱり難しい

午後は、今日から沖縄入りの研究生仲間たかさんと合流して首里城へ。
沖縄は何度か訪れているが、首里城を訪れたのは初めて。
2019年の火災からまだ再建中だが、その復興工程を公開しており、これを見られるのもまた貴重な体験だった。

正殿の赤瓦
職人さんが、瓦の継ぎ目を一枚一枚
漆喰で塗り固めている

私が一番美しいと思ったのが、城壁。
城壁に使われている石は小さな穴が無数にあって、軽そうで加工がしやすそうだなと思った。珊瑚礁と関係があるのかなぁなどと思いながら、その城壁全体のデザインを眺めていた。表面はなめらかな弧を描き丸みをおびていて、上の隅のにある角(つの)みたいなでっぱりがアクセントになっている。お城を守るための役割でそうなっているのだろうけれど、見た目にもいい感じ。

曲線が美しい城壁

お城や石垣に特に詳しいわけではないけれど、今まで見てきた日本のお城の石垣は、もっとゴツゴツしていていかにも岩が積まれている感じ。時代による技術力で積み方が違ってくるみたいだけれど、首里城の城壁は“戦う”という感じではなくて、なぜが柔らかくて優美。

色合いもいい。黒とグレーの間とでもいうのか?自然の温かみのあるグレー。宮殿の朱色を引き立てている。
私の“何とも言えない好き”がそこにはあった。

さて、いよいよ やんばるへと向かう時間。
合宿の主催者のおひとり、沖縄出身の羽地さんと合流。
実は前日の泡盛で二日酔い気味だった私。
その車中、頭痛と倦怠感で後部座席で倒れていたけれど、気持ちは明日への期待でいっぱいだった。


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