【研修記録】沖縄・銀行での研修(岩橋由梨)
沖縄に行ってきました。
今回はプレイバック・シアター研究所の所長である羽地朝和さんがある銀行でヒアリングの1日研修を担当しました。わたしはその中のヒアリングのデモンストレーションとして、参加者の方のお一人の話を公開で8分間聞くこと、さらには普段から私が人の何を聞いているのか、または何を聞こうとしてるのかをまとめて話してほしいというご依頼です。
これはわたしだけではなく、沖縄在住で長年TAを使った企業研修やカウンセリングをされている野原弘さんも入り、3人のヒアリングをオープンで行い、その3人の違いも参加者共に検討をするというものでした。
今回銀行員の皆さんが学ぶことは、お客さまが対象ではなく、同じ銀行員同士で業務や面談する際に行うヒアリング。
その時、上下関係や部署に関係なくやりとりがうまくいった時と、いかなかった時をみなさん少なからず経験しているので、そこを整理する目的もあります。
もちろんこの合間に、ヒアリングを行う上での基本的な考え、参考になることも講義します。
そういえばわたしはこのところお坊さんの学校や、保健師さん、看護師さんの健康教育でも、どう聴いているかをまとめることが多くなってきています。
どうきくのか、今聞こうとしていのはその方の持つ情報なのか、感情なのか、それは実は誰が知りたいことなのかなどを整理してみることや、何を伝えるかも重要だけど、それをどう伝えているのかをふりかえることはとても大切。特にその道のキャリアが長い方や、役職が高くなればなるほどすこし見失いがちなことのようです。重要なことを告げるときほど、そのコンテンツに気を取られ、伝え方が疎かになりがち。そこのバランスを体験を通して見直していただくのが、私のできることです。
今回は銀行の方でしかもベテランの方々が多いとのことなのでどんな固い雰囲気なのかと思いきや、みなさんが最初から和やかで和気藹々とされていて、リラックスしたご様子。なので私も思い切って講義の時には体験的なことをさせていただきました。最後まで率直な感想や意見などがたくさん出てとてもオープンな場でした。
これは沖縄ならではかもしれないと、沖縄とそれ以外の現場をよく知っている野原さんや羽地さんがしみじみ話されているのが印象的でした。
「本音で話し合える」というニーズが言葉として何度も上がってきていました。
この「本音」という言葉。わたしにはわかるようなわからない感覚が最後までありました。銀行というお仕事、ましてや査定などが入ってくるようなヒアリングにおいては、本音はどこまで聞けるものなのでしょうか。
あとから(安心感)と付け加えたグループもありましたが、主に皆さんはどんな意味として使っているのだろう。みんな同じ意味で使われているのだろうか。
研修後にそんな話を羽地さんにすると、「そこは次回から課題にする所だね。まずはみんなでそんな話ができるという関係づくりからだね」と話されました。
なるほど、段階が違うのですね。
今回はまずは一度全てをあげてみる、それらが挙げられるような場づくりの意味合いもあったのだなと思います。
「人の話をきく」
さまざまな現場でこれからますます必要なことだと思います。
(岩橋由梨)