【いきる朗読】「役」という仮面(研究生日誌たか)
チェックインでの由梨さんの話。
親子が演者として立つ舞台を見てきたという由梨さん。子の真剣さ、緊張、集中、そして疲れ。親の貫禄ある余裕の演技の中に垣間見える、子への気遣い。それらが由梨さんの皮膚にじかに伝わってきたという。話を聞いているだけで、わたしまで親と子それぞれの必死さや息遣いが伝わってくるようでジーンときた。そして由梨さんは、「うまいとか下手とかじゃなく、いいものを見せてもらったなぁと思った」と語った。
演者が観客に見せようとしている演技の良し悪しとは全然違う次元で、その演技をやろうとしている演者自身の生身の人間としてのありようが滲み出す。そこに心が動かされる。
そうか、由梨さんがいつも言う、上手い下手じゃない、その人がやろうとしていることを観る、ってそういうことだったんだ。やっと少し理解できた気がした。
メインワークでは短編小説をもとにした朗読劇のシナリオを読む。輪読して感想をシェアした後、2グループに分かれて一部を実際に朗読劇としてやってみた。
朗読というのは不思議なもので、何度も口に出して読むうちにその場面が生き生きと体感されるようになる。ただ目で文章を追って読むだけの時よりも、ずっと深くその作品を体験できる。
今回は、憎々しいことを平気で言うわがままなおばあさん役をやった。これが楽しい。意地悪な役って気持ちいいんだ。
「役」という仮面をつけることで解放されるという話は聞いていたけど、それを私も少し経験した気がした。
また、このところ自分が舞台にいることが多かったので、今回は他の人の朗読劇を観客として観れたのが新鮮で興味深かった。
舞台上の一人一人はその人独自の存在感があった。「役」という仮面をつけて立ったとしても、やっぱりその人として立つことになる。同じ役で同じセリフを同じように言おうとしても、役者が変われば全然違う人物像がそこに立ち現れる。
「役」という仮面によって普段の自分から解放される経験と、仮面があっても、いやむしろ仮面という枠があるからこそ否応なくその人自身が立ち現れるという経験と、そのどちらもが印象に残った時間だった。
いきる朗読 申込受付中!
新しいものをいれるのではない。
元々あったものを掘りおこして磨いたり、
ふたしかなものをふたしかなままで受けとめたり、
確信していることをちがう角度で眺めてみたり、
声とことばとからだでやってみる時間です。
【日 程】10/19(土), 11/9(土), 11/23(土), 11/24(日)※単発参加OK!
【時 間】13:30-16:30
【会 場】中目黒周辺会場(お申し込みの方に追ってお知らせいたします)
【ファシリテーター・演出指導】岩橋由梨
※岩橋由梨の朗読劇のnoteマガジンはこちら↓
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