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不摂生な生活を送り続けるとどうなる? - 不摂生な生活と寿命との関係~「Dr.ナグモの栄養外来ch」より


はじめに 

突然ですが、みなさんは不摂生な生活を送っていませんか? 不摂生な生活を続けると寿命が縮むとはよくいいますが、どうして寿命が縮むことになるのでしょうか?また不摂生な生活を送ることで訪れる、私たちの体の異常とはいったい何なのでしょうか?今回はそちらについて解説したいと思います。

こちらのがん専門医である南雲吉則先生(ナグモクリニック総院長)の動画では、今回の記事の内容についてより詳しく解説されています。こちらもぜひ、ご参照ください。

必ず存在する?人生の節目とは

私たちの人生には必ず節目というものがあります。節目で言えば、例えばタケノコを2つに割ってみると中に節目がありますよね?このタケノコがぐんぐんと成長して竹になった時、その節目の数はどうなっているでしょうか?なんとタケノコの時の節目と同じ数になっています。節目の数は成長したからと言って勝手に増えたりはしないのです。

人間も竹もあらかじめ節目の数は決まっている

これは人間も同様の話で、人間も背骨の数は生まれつき既に決まっているのです。このようにして、私たちの人生の中でもう既に何歳になったら老化が始まるだとか何歳になったら死ぬのだとかあらかじめ節目が決まっているといいます。このことを「二乗の法則」と呼びます。

二乗の法則で分かる人生の節目

ある数を自身で掛けること、これが二乗という数学の操作です。これが私たちの年齢とどう関連があるのでしょうか?南雲先生によれば、1から始めてその数の二乗が大体私たちの人生の節目を示していると言います。

人生の節目がわかる二乗の法則

具体的な例としては、1の二乗(1歳)は乳児期、2の二乗(4歳)は幼児期、3の二乗(9歳)は小児期、4の二乗(16歳)は思春期、といった具体的な年齢とそれぞれの節目が描かれています。そして、5の二乗(25歳)は青年期、6の二乗(36歳)は若年期、7の二乗(49歳)は壮年期、8の二乗(64歳)は中年期、9の二乗(81歳)は老年期、10の二乗(100歳)は長寿、と続いていきます。

これらの年齢が二乗の法則に則った私たちの人生の節目の年齢だと言われています。

長寿のお祝いと私たちの寿命

また、中国で始められたこととして長寿のお祝いという人生の節目を祝う風習が存在します。60歳を迎えると還暦、70歳は古希、77歳は喜寿、88歳は米寿、99歳は白寿、そして、100歳を百寿と言います。続いて111歳になると皇寿、120歳になると大還暦というのですが、では130歳になるとなんというのでしょうか?実は130歳を祝う際の言葉は存在していません。中国3000年の歴史の中でも、130歳まで生きた人というのは1人もいないのです。

130歳まで生きた人は1人も存在しない

これまでの最高齢記録は、フランスのジャンヌ・カルマンさんの122歳と5ヶ月です。また、日本の最高齢記録は鹿児島県徳之島の和泉重千代さんの120歳です。ここで再び二乗の法則を見てみましょう。10の二乗は100歳、11の二乗は121歳となりますよね?このことから、どうも私たち人間に与えられた寿命は120歳前後のところにあるのではないかと推測できるのです。

120歳前後が人間に与えられた寿命という推測

生涯の心拍数と寿命との関係

生涯の心拍数からも、このことについて推測できます。私たち生物が生涯に心拍する回数は約20億回だと決まっています。こちらの計算式について、Dr.南雲式で考えてみましょう。

まず私たちの心拍数というのは1分間に約50回となっています。となると、1時間で3000回、1日で7万2000回、365日で 2500万回となっていきますよね。
では4年間はどうでしょうか?1年の4倍ですので1億回となりますね。40年だと10億回。さらに20億~30億回となるとどうなるのかというと、実は80年~120年のことを指す結果となるのです。

Dr.南雲式による生涯心拍数の計算

80年とは人間の平均寿命であり、120年とは私たちの最後の節目、寿命にあたる結果となるのです。このことからも、私たち人間に与えられた寿命は120歳前後だという数字は出てきているのではないかと考えられます。

大隈重信の言葉

早稲田大学には大隈記念講堂という、明治の元君大隈重信の威徳を称えて建てられた講堂があります。こちらには時計台が建てられているのですが、その高さはおよそ125尺となっています。これは、大隈重信の口癖が“人間は節制すれば125歳まで生きられる”という口癖からこの高さになったと言われています。

大隈重信の口癖の言葉

大隈重信は、まだ世界の人口動態統計もギネスブックもなかった時代に、125歳が人間の生命の限界だということを言い当てたのみならず、節制すれば生きられるが生きられないのは不摂生をするからだと言って、テロメアの長さと寿命との関係について世界で一番最初に言及した人物でもありました。

ミミズと同じ?私たちの体の仕組み

ではどうして不摂生すると寿命が短くなるのでしょうか?
これは私たちの体が管でできていることからその理由を考えることができます。私たちの体はミミズと同じです。ミミズというのは口から肛門までが1本の管でできています。私たちも同様に、口からお尻までを消化管、鼻から肺までを気管、そして体中に血管という管が巡っています。

ミミズと同じ構造の私たちの体

その管が私たちの栄養の取り入れ口ですが、そこに悪いものを取り入れてしまったらどうなるのでしょうか?外から外毒が侵入してくると、管の粘膜の表面が傷づき、炎症を起こします。それらは喫煙や暴飲暴食の結果引き起こされることが多いですので、それを止めれば炎症を治すことができます。
しかし、時に私たち人間は悪いと思いつつも繰り返しそうした生活を送ってしまうことがありますよね?そうするとどうなるのでしょうか?粘膜の表面に潰瘍という穴が開いてしまうのです。となると今度こそ、私たちは命を奪われる可能性がでてくるのです。

何度も不摂生な生活を続けると命を奪われる可能性がでてくる

不摂生な生活の先にあるもの

不摂生な生活によって生まれたその症状は、病院で摂生された生活を送ることにより再びその症状を治すことができます。それは病院の治療によるものではなく、あなた自身の体が細胞分裂によって必死に傷口を治してくれた結果です。

医師の力ではなく、自分の体のおかげで症状が治療されている

この結果を受けて、これから先は摂生した生活を送ろうとなればよいのですが、しかし変わらず再び不摂生な生活を送るといったいどうなるのでしょう?潰瘍に次ぐ潰瘍、その傷を塞ぐために細胞分裂に次ぐ細胞分裂。これを何度も繰り返すうちに細胞分裂にも限界が訪れます。そんな時、テロメアの複製酵素であるテロメラーゼを持った修復細胞というものが現れるのです。その細胞の名前はいったいなんでしょう?それが「がん細胞」と呼ばれるものなのです。

不摂生な生活の果てに訪れる「がん細胞」

がんが私たちの命を奪う理由

がん細胞はいったいどうして私たちの命を奪うのでしょうか?
私たちの体には、日々3000~5000個のがん細胞が出来ているといいます。そこでもし私たちが不摂生な生活を送ると、先ほど述べたようにがん細胞はさらに増える結果となりますよね?

例えば、1つの家にある夫婦が住んでいるとします。そこに子どもが1人生まれるとしましょう。その後もその家に住み続けるとして、仮に10人100人1000人と子どもや孫が増え続けたとしてらとてもじゃないですがその家には住めなくなりますよね?そうすると、もし隣に空地があれば新たに家の建て増しを行うこともあるかもしれませんが、がんもこのように建て増しをすることがあるのです。これを局所浸潤といいます。

がん細胞が周りの器官に広がっていくことを「局所浸潤」と呼ぶ

また、もういっそ遠くの広いところに引っ越してしまおうと考えることもあるかもしれませんが、がんも同じように引っ越しをすることがあるのです。それを遠隔転移といいます。

がん細胞が離れた場所に転移することを「遠隔転移」と呼ぶ

このようにしてがんがどんどん私たちの体の中で増殖していき、結果私たちの命を脅かすことになっていくのです。

さいごに

不摂生な生活を続けると、恐ろしい未来が待っていることがご紹介できたかと思います。このような未来を回避するためにも、今一度みなさんの生活を見直してみるのはいかがでしょうか?

この動画では、今回紹介した内容についてより詳細な情報が解説されています。興味を持った方はぜひご覧ください。

南雲 吉則(なぐも よしのり)
ナグモクリニック総院長。乳腺外科の第一人者にしてがん専門医。1990年、医療法人社団ナグモ会ナグモクリニックを開設し、1994年には東京慈恵会医科大学より博士(医学)を取得。60歳以上の生き方が輝いている人として『第1回プラチナエイジ授賞式』プラチナエイジストを受賞。

「女性の大切なバストの美容と健康と機能を守る」をモットーに全国で乳癌手術、乳房再建術を行う。「一日一食」「ゴボウ茶」「水シャワー」などの独自の若返りダイエット健康法を展開し、ベストセラー、テレビ出演など多方面で活躍。がんから命を救う食事と生活の情報発信にも注力している。


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