ボノボの研究だけじゃない?ワンバで過ごす横山拓真博士の一日〜「横山拓真の霊長類研究所」より
はじめに
研究者という職業は特に霊長類研究者の場合、誰もが想像する以上の困難とチャレンジに満ちています。そしてそれはまさにボノボの観察を専門とした霊長類研究者である、横山拓真博士の場合でも同様です。ワンバで研究の日々の送る彼の1日は、いったいどのような生活なのでしょうか?
今回の記事の内容については、こちらの動画でも詳しく解説されています。よろしければぜひ、ご覧ください。
ワンバでの目覚め: ボノボ観察の一日が始まる
早朝4時。この時間から横山博士の一日が始まります。横山博士の起床時間は多くの人がまだ夢の中にいる時間です。
何故そのような時間に起きるのでしょうか?
もちろんその目的は明確で、まだ暗い森に出かけ、ボノボの観察を開始するためです。だいたい日の出の朝6時頃にボノボも目を覚まし行動を開始するため、その時間に合わせて横山博士も行動を開始するのです。
彼らが起き出して活動を始めるのを待ち構えることで、一日の行動を最初から最後まで観察することが可能になります。
ボノボ観察終了後のルーティン: 帰還後も続く研究活動
ワンバではだいたい夕方の5時頃が日の入りであり、ボノボたちもその時間に新たなベッドをつくって眠ることになるので横山博士の観察もここで一旦終了となります。
その後ベースキャンプに戻ってくると、6時から7時頃にかけて水浴びで体を洗ったり、夕食の時間になったりするのですが、その後すぐにミーティングが始まります。ここでは今日のボノボの様子、どんな行動が見られたか、状態は?元気だったか?などを研究に関わる人々と話し合うのです。
それが終わるのがだいたい夜の8時を回る頃になるのですが、その後横山博士はまだ休むことなくその日のボノボの行動のデータ入力を自室で行うといいます。ただし、現地でのボノボ研究において睡眠は必須であるため、必ず10時には眠りにつきます。そしてまた朝4時に起きて同じルーティンを過ごすこととなるのです。
ワンバ村の生活: 研究者とコミュニティの共生
また、横山博士の仕事は森林の中での観察だけではありません。現地のコミュニティ、ワンバ村の人たちとの関わりも重要な部分を占めています。彼らとの共生は研究成果の一部であり、村の人々から地元の知識を学び、研究に役立てる機会も得られます。
そんなワンバの人々の食事は非常に多様で、魚や野菜などについても色々な種類のものがあるのですが、驚くことに彼らの食事の中にはイモムシも含まれています。このイモムシは、地元ではビンジョウやバンゴンジュと呼ばれるものなのですが、実は貴重な食材であり、高級食材として扱われることもあります。これらの食事の習慣を通じて、横山博士はワンバの文化と生活についてより深く理解することができるのです。
休日の過ごし方: リラクゼーションとNPO活動
横山博士は一週間の大半を研究で過ごしますが、休日もちゃんとあります。横山博士の場合、休日には村人と話をすることが多いようです。他にはギターを弾いたり、川で泳いだり、犬と戯れたりします。研究がある日はすごく疲れるので その疲れを取るために休日はゆっくり過ごすように心がけているようです。
また横山博士は、休日の日にプライベートの時間を過ごすだけでなく他の仕事をする時もあります。彼は、NPO「ビーリア保護支援会」という活動にも参加しています。その活動では、ワンバの村人たちの支援をしながら絶滅の危機にあるビーリア(ボノボの現地名)の保全に取り組むために、違法な森林伐採や密漁を防止する啓蒙活動などを行っています。研究の間の時間を縫って、横山博士はこうした社会貢献活動にも関わっているのです。
さいごに
霊長類研究者である横山拓真博士のワンバでの日々というものは、ただひたすらに学問的な探求を行うだけでなく、現地の人々の支援活動やボノボを守るための環境保護活動に取り組むなど多岐に渡るものだったといことが理解できたことでしょう。
そうした横山拓博士の日々について更に詳しく知りたいという方は、こちらのYouTube動画をご覧ください。より分かりやすく、今回の記事の内容を理解することができるでしょう。