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自撰十一首(平成三十一年・三月)

【第四十五首】一ミリも興味ない曲 音のないイヤホンしてたと気づくコンビニ

【第四十六首】飲み会のトイレで隠れて吐いては取り繕うが如く世に紛る

【第四十七首】この度は心温まるお話を。ところで最寄りの愛はどこです

【第四十八首】硝煙のにおいってこんなだったなあ、なにエアバッグ開いてんだろ

【第四十九首】おまえから押し付ける感動の連鎖で生まれてくるのは別の人だよ

【第五十首】あのビルでなにが回転してるのか回転してる君から聞いた

【第五十一首】笑わなきゃ血中濃度のあるうちに笑わなきゃ無敵状態終わっちゃう

【第五十二首】春風が泣く力すら残ってないすっからかんの体を運ぶ

【第五十三首】死なない病気に罹る意味を問うている果てしないひとりの寝床

【第五十四首】「信じてるままでいられたらしたかったこと」と道端でキスをされた日

【第五十五首】やりきれぬ心が未だ幼くて煙でせっせと肺を壊せり

—— PLATONIC HOTEL™
 

番号は前回からの連番。
書き溜めた短歌を纏めている。 #短歌

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