raindrop
また変な時間に目が覚めちゃった
とっくに日も変わっているのに全然寝付けない
寝苦しい…
何度か寝返りを繰り返していると
なんだか外の気配がおかしいことに気づく
なんだろう?
耳をそばだてる。
風が吹いてる。
隣の家の柿の木、うちの庭の垣根、プランターのブルーベリー
開けた窓から、葉っぱのざわめきが聞こえる。
「カツン」
不思議な音が聞こえた。
何かがトタン屋根に落ちたような……でも、固いものじゃない。
小さくて丸みのあるものー…
カツン、コツン、ポツン、ポつ、ぽつ、ポツ・・・
ザーーーーー
雨だ!
もうあたり一面、雨音に包まれている。
じゃあ、さっきの音は、雨の降り始めの音だ。
私、「はじまりの一滴」の音を聞いちゃった。
「はじまりの一滴」
その言葉が頭に浮かぶ。
ある人が、大地に積もった雪は空の一部分であると言っていた。だから、その上に立つ人は、空に在ると。私たちの立っているところ全てが宇宙との接点。
生まれたての雨音も、ほとんど宇宙との接点からやって来た。
そして、この町を、家を、私自身を包んでいく。
どこまでも優しく柔らかな宇宙に包まれながら、深い深い眠りについた。
『子どもの心の不思議』横湯園子
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