ほぼほぼ
(実験:敬愛するブロガー加藤はいねさん風の文体に寄せてみます)
かれこれ5年前くらいだったかな
このパンデミックに気づいたのは。。。
広告制作業しているとね、もう そこかしこのビジネスシーンにね、
知らん間に『ほぼほぼ』がはびこってたわけ。
最初きいた時はね、『ん!?』って二度聞きしたよね。
『なんで2回言ったの!?』ってね。
でも、意味はわかるわけ。そりゃ。『ほ』と『ぼ』だけで構成されてるんだもの。
で、某 広報担当のお方がいうわけ。
『ほぼほぼOKですよー』つって。 でこっちも安心するわけ。
偏差値もそんなに高くないから、こちとら。うのみにするわけです。
『よかったー、だいたい校了かー』つって。
ところが、ところが、
後日、当然のように修正が入るわけ。
ちょっと、文字修正とか、『やっぱり、この写真をこちらの写真に差し替えで。。。』とかなら、まぁ分かるわけ。
こっちも18年以上のベテラン(オンボロ)選手なんで。
よくある話です、余裕ですよーつって。
わかりますよー、最近 この商品写真撮影されたんですよねーって。
新商品だもの、訴求しないと上から怒られちゃいますよねーって。
心中でお察しするわけ。でも、余計なことは言わない。押し黙ってる。
この業界、パンドラの箱がすぐ開くから。
なんなら、最初からあいてるパンドラの箱もあるわけ。
もうほとんど罠です。ミミックが口をパカパカさせながらやってくる案件もあるわけ。
でね、最初の“ほぼほぼOK“も どこ吹く風で
全然 話が変わってくる。なんなら方向性から変わるわけです。
大丈夫、大丈夫。OK、OK。I see、I seeつって。
こちとら、やり直し慣れてる(やりこなれてる)、
なんなら、頭も若干クレイジー気味てるデザイナーだから。
知ってる?デザイナーって人間じゃねーんだから。
『そうや、僕は人間やあらへん。デザイナーや。』って。尊敬する柳CDがいうわけです。
だから、何でもできるわけです。だって人間じゃねーもの。
『もういっそ媒体から変えちゃえ』つって。
パンフやめて、チラシにしますかっつってね。
『…できるの?』
…そら、簡単にはできねーわけです……だって手に届く方法変わるし。
読む率の高い、読ませ物から、なんなら捨てられる率の高いものへ移行するわけです。
都内 六本木から、大阪の西成区に引っ越すくらいのギャップ感ある移行なわけ。
でも、僕たちならできる
だって、知ってるんだもの。1番大事なことを。
“負けないこと 逃げ出さないこと 投げ出さないこと“……あとなんだ、アレだアレ
負け出さないことだっけ………!? いいや、それで もう。投げ出しちゃえば。
あきらめも肝心なわけ。
でも、僕たちはやっちゃうわけ。どんなことでも。
媒体から媒体の間を自由に飛び回る 表現者なわけです。
机の下にもぐりこんで寝て、起きてまた仕事すれば、たいがいの案件は終わるわけ。
ああ、机って布団なんだ……って気づくわけです。
学校では教えてくれないことは、職場と社会が超 教えてくれるよね。
でね、思うわけです。知るわけです。
『ほぼほぼ』は、『まだ細かく見きれてねえ』とか
『軽く見たけど、まだ上席確認とれてねえ』とか、
ちょっと言いづらいことを担当者がオブラートに包むための
都合のいいパワーワードなわけです。ほぼほぼ、そうです。
だから、自分は『ほ』と『ぼ』のやつを使わないようにしてたんだけど、
そのうち、つかってるわけ。
なんなら、デザイナーに指示する際に『ほぼほぼOKだけど、上に確認はしてないよ』ってね。 同じ使い方してるわけ。
それに知ってた?
『ほぼほぼ』は、大体ね『だけど』とか『でも』とか
逆接的なコトバとセットでやってくることが多いわけ。
単独では点に絡めないわけ。
ほとんど癒着案件です。めっちゃ仲良しなわけ。
ほぼほぼ、そう。