人と仕事

求人を見たいがために、広告につられてほんの3か所くらい登録すると、色んな人から電話がかかって来る。

「登録なさった広告会社の○○のものです。応募なさった会社の大元で、一部上場企業なんですよ。私どもの方でも転職のお手伝いしてもよろしいですか?(よろしいですよね?)」

コンサルを職業としている方にも色々な人が居るのだなあ~と、今回は勉強になった。一流のカウンセラーのように上手で自然な人も居れば、やたらと「一部上場企業です」ばかりを繰り返し、全然話が進まない方とか。

看護師もサラリーマンであることには変わりないのだが、「一部上場企業です」と何度も言われたところで、あまり関係がない。あちらとしては、とても凄いことなのだろうけど、価値観が違うのだろう。
「しかも、紹介先の施設も我々と同じく一部上場企業でして、かの有名な○○というメーカーが大元となっております!(どうです!信頼がおけるでしょう!)」

どうしてなんだろう。

大手だと異動が多いし利益至上主義で人員も居ないのに新しい施設をドンドン建てる。そんなの全然良いことないんですよね。
私は利用者様をじっくりと看たいとハッキリ意思を伝えているのに。

しかも、紹介先をとある理由でお断りすると、「どうしてですか?理由をハッキリ言ってくれないとこちらとしても困ります。」と低いトーンに変わった。

話が長い人なので、本題の前に「自分は22歳で会社に入って間もないんですが上司に怒られてばかりで落ち込みます。履歴のこの病院は28年も勤めたんですね?どうしてそんなに長く勤められたんですか?僕には無理です。」等訊いてもいないことを喋っておられた。長い。
「僕にも色々とアドバイスを下さいね!」

何だろ?上司に「一部上場企業だぞって言っても心が動かないようだったら、おまえは若いんだから母性をくすぐる作戦で行け。」とでも言われたのかな。

その後、やっと一件だけ薦めてくれた案件を断ったところ、低いトーンに変わり、電話の向こうでイライラして貧乏ゆすりしている様子がありありと伝わって来る感じだった。
それでも語調を崩さず丁重に丁重にお話し、お断りして、やっと電話を切ることが出来た。

他社の女性2名のコンサルの方々は、わずか1日で10件ほどの施設を紹介して来てくれて、「こういった環境なので高齢者様をじっくり看護できるのではないか?と思いまして。」と、一つ一つの施設の長所と短所を詳しく教えて下さった。しかも、こちらの「看護をしたい」という要望をぶれずに押さえてくれていた。

先の男性コンサルの方が「僕は、上司に怒られて毎日のように『辞めてやる』って思います!」と言っていたのが分かる気がする。そりゃ、怒られるよ。
怒られるのが嫌だから、何とか一件押さえて来た施設に決めてくれ!という必死の思いだったからこそ切れたのだろう。

大丈夫かな?・・・と、その人のことや、その上司のことや、色んなことを瞬時に考えてしまったのだが、人の心配している場合じゃないよね。
どこか派遣で数か所回って、他所のやり方を学んでみよう。

仕事とは、どんな職種でも”その人”が出るものなんだろうなあ。思わぬところで勉強になった。

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