出会いの不思議
夕方が近づいている時刻。でも、まだまだ明るい。
私たちは大塚の街を目指して出かけた。
今年の1月の末、ブランカを迎えに行ったシェルターがある駅だ。もっとも、その時はブランカに出会ってもいなくて、迎えに行っているという自覚など全くなかった二人。
「良い出会いがあったら連れて帰ろうね。」くらいには思っていた。その前にも近場の譲渡会で色んな猫さんを目にしては「可愛いなあ。」と何度も思ったが、生半可な気持で生き物を飼うべきではない・・・という気持ちの方が勝っていた。
でも、ブランカに出会ったらもう何も考えられなくなった。あまりにも白ちゃんに似ていたから。姿が・・ではない。魂が。そして心の声のようなものを聴いた。
あの日から半年が過ぎようとしている。
私たちはただ、大塚に散歩に行っただけだ。シェルターに行くと悲しくなりそうだから行かなかった。もしもまだ、あの時そこに居た子たちが居ても悲しいし、居なくなったらなったで、無事にどこかで幸せにしているのか?それとも・・・と、そんな悲しい想像をするのが怖かったからだ。
大塚で散歩をして、買い物をして、あの日入りたかったレストランに入ってご飯を食べて帰って来た。
そして帰りの電車の中で、今度は猫との出会いではなく、私たちが出会ってからのこれまでのことを話しながら帰って来た。
色々なことがあったね・・・と。
仕事のこと、プライベートのこと。
成して来たこと、紆余曲折で、結局はうまく行っていること、今現在立ち向かっていること。
本当に色々なことがあったねと。
そして玄関を開けると寝ぼけ眼で駆け寄って来る猫たち。
感謝の休日だった。