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お天気雨と冷たい蕎麦と短冊
今日は空が重いなあ~と出勤途中の日曜の朝。
さーっと晴れ間がさして来て、綺麗な虹が見えたかと思いきや、優しいお天気雨が降り出した。
濡れることも気にならず自転車でゆっくりと進んだ。
***
そんなさわやかな朝の光景だったというのに、職場に着くなり、約一名のジットリとした視線。同じ質問が飛んで来たり、邪魔されたりする最中、「ああ、もうダメなんだろうなあ。限界だなあ。」と思う。
いくら言葉と時間を尽くしても、求めているかのように見えて耳が閉じている人とは無理なのだ。そして、そういう人に限って人様の時間と労力を湯水のように欲しがり無駄にして行くのだ。
***
自分がやるべきことをやらなくては!と思うと、目の前に仕事が山ほどある。妙なことに気を取られてリズムが乱れて、思うように進んでいないことが山積み。
そんな中、例のお婆ちゃんが「今日こそコンビニ行こうよ。午後空いてる?」と言う。ギョギョッ!
しかし、もう、これは何とかして行くしかないだろう。
雨が降らなかったら行こうか!と約束。空は既にどんよりと重かった。(ちょっと降るのを期待していたりして。)
が・・・・。午後。
降らないんかいっ!
数百メートル離れたコンビニへの公道を、ガタゴト車椅子を押していると「悪いねえ。ごめんねえ。大変でしょ?」と言う。
同じ車椅子の人でも人それぞれで、こうして車椅子を押している人を気遣う人も居れば、「道路をツルツルにしていない国が悪いんだ!まったく今の政治は!」と大激怒する人もいる。
このお婆ちゃんは前者の方だったので、私のことを気遣いながらも、移り変わる景色をワーワー言いながら楽しまれていた。ちっとも良い天気じゃないのに、「ああ、清々しいよ!」と。
コンビニで冷たいお蕎麦や巻きずしやお菓子を買って帰って来るというそんな短い道中だったが、大喜びしてくれた。
玉の汗がしたたり落ちる中、本当に行けて良かったなあと思った。何かしてあげているつもりが、実は違うらしい。もしも神様という存在がいるのだとしたら、この時間を私に与えてくれたに違いない。
「楽しかったよ!ありがとうね!」
ありがとう!私も楽しかったよ!
冷たい蕎麦をすすりながら、彼女は短冊に願い事を書いた。
私もマジで書いた。「全員が健康で長生き出来ますように。あーんど!ヤクルト優勝!」と。
織姫様と彦星様は、多分、この時代、毎日会っていると思う。