福祉の神様2
先日のハプニング続きの日、同じ建物内で運営されているデイサービスの職員がコロナ陽性の診断を受けたというニュースが舞い込んだ。もう、泣きっ面に蜂。
同じ法人内でも別事業所。しかし、同じ建物の中であり、デイサービスに毎日通って来るご利用者様と、うちのショートステイの利用者様(泊まりの人たち)には、被っているメンバーがいる。
そうすると、デイサービスで陽性になった方を、うちのショートステイにお迎えすることが出来ない。断腸の思いなのだけど、特養の方にも感染の危険性が及ぶから。
それならば、デイサービスもショートステイも止めて特養を守れよ!という話なのだが(実際には私もコロナ渦の初期の頃にはそう思った)、この二つのシステムを止めると、別の意味で命の危機にさらされる人たちが沢山いらっしゃるのだ。(例えば飢えとか凍死とか、虐待とか。)
早いところ、全員のPCR検査を終えて、陰性だということがハッキリしたら迎え入れたい。
そんな騒ぎの最中、とりあえずデイサービスは、検査結果が出るまで閉鎖された。職員も全員、出勤停止。ただ、所長さんだけが対応に追われ、閉め切ったドアの向こうで事務作業をしている気配だけが伺える。こちらも大変だけど、所長さんも本当に大変だろうなと思う。
こちらはこちらで忙しいのだが、エレベーターを待っている間、ふと振り返り、閉め切られた空間で孤独に頑張っている所長さんのことを思い、ただ、ただ、そのドアを見つめるばかりだった。
私には、何も出来ない。そちらへ行くことも許されない。
そんな時、裏口の玄関が空く気配がした。
あ、何か、光っている。誰か、入って来た。
それは、今年の初夏の頃に異動した前の所長さんのお姿だった。遠目だけれど、久々に観た。
私に向けてㇲッ!と片手をあげてくれた。私も一礼した。
しかし、互いに駆け寄ることは出来ない。
ゾーニングのルールがあるのだ。エリア分けして、接触しないこと!
相手を生かすために。
どこかを生かすために。
遠いなあ。切ないなあ。
ただ、私は、とてもホッとした。現任の所長さん、独りじゃないよ。助け舟が来たよ。神様が来たよ!
おそらくは、他の事業所に異動になったのだから、本来は、手伝いに来るのもダメなはずなのだけど、「あんなん、一人じゃ無理だよ!」と上層部に言い切って助けに来てくれたのだろうと思う。
この業界は、決して一人では仕事が出来ない。
ただ、何故なのだろう。各部署の専門職や管理者は孤独だ。だーれも分かってくれない!と思うことが銘々にあるようだ。
しかし、そんな中、本当の窮地に、時にはルールを破って現れる。中々難しいことだけど、私もそんなことが出来たら・・・と思う。同時に、今!今、誰か助けてや!と思うこともある。
ただ、確かなことは、しんどい時ほど、その人の真価が問われるということだ。まだまだ辛いけれど、今日はイキガミ様を観れた。縁起が良いと思うことにしよう。みんな、頑張っている。