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とある人生

入職当初勤続云十年のH介護士と険悪になったのだけど、あれから三か月。むしろ仲良し。

その他、意外なことに色んなことが勉強になっている日々。

大勢のご老人の健康を管理しなければならないのが介護施設。しかも予算の範囲内で。

以前いたところでハイドレーションシステムと名付けたシステムを作り、その効果が色んな部分に反映された。あれが理解者が多かったから出来たことなので、今後他所で出来るとは思っていなかった。

が、日々を重ねるごとに色んな人の諸事情に触れて行く。知って行く。それは職員一人一人の事情においても例外ではなかった。

どんな思いでやっているのか?ということが伝わって来る。

紙でできたアジサイに透明のビーズを付けたら、まるで雨の雫が溜まっているかのようで綺麗に仕上がった。これを飾って欲しいな~と思っている傍からHさんが駆け寄って来ては『うわ~、なんて綺麗なの?これ、二階に飾っても良いの?』と少女のようにはしゃいでいる。←おそらくは60代。

云十年も勤続していると外出していた人々も寝たきりレベルの介護度になるわけだが、もはやHさんにとっては自分の子供のような存在になっているらしい。『みんな、喜ぶわあ。ありがとうね!』
というより、Hさんが一番喜んでいるみたい。

毎週金曜日は姿が見えないので、てっきり年齢による業務制限か?と思い込んでいたら、何と、お休みどころか、他所のデイサービスへ行っているという話を今日聴いてビックリした。

仕事の合間に少しづつ話を聴いて来たのだが、今日は、ガイドヘルパーの経験があるというエピソードも聞いて、何だか感動してしまった。タフだなあ。そして、愛情が尽きないのだなあ。

ガイドヘルパーと聴いて、キャッチボール仲間のIちゃんを思い出したので彼女の話をすると、世間は狭いもんで、どうやら知り合いのようだ。

今思えば、この近所の○○会館に彼女のライブを聴きに来たことがあるんですという話をすると、『そこに私も居たかも!』と嬉しそうに言う。

私にはまだまだ到達することが出来ない域なのだが、大先輩と言われる年齢に達しても尚、彼女の糧は利用者様の笑顔なのだろう。

ハイドレーションシステム、ここでも行けるかも。

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