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疲労困憊ながらハッピー

出勤した際、とあるフロアの一角で、完全防備のKちゃんが汗をダラダラ流して仕事をしていた。その仕事の名は、介護。

朝一番の仕事が3人に人々の抗原検査。
結果は全員陰性。

『もういい。もう、脱いで良いよ!』

『え?』と、Kちゃん以外の職員もこちらを見る。『いいんですか?みんな、陰性ですか?』

合計10日以上にも渡る緊張状態。あたりまえだけど誰も死なない、誰もが元に戻る。

もう初めてのことじゃないのだけど、毎回膝から崩れ落ちそうになる。

ウイルスだって一生懸命生きているのだろう。何の目的か?と訊かれれば分からないが。

でも身近な人を生かすために私はこれからも殺す。自分が殺されそうになりながらも、介護も看護も、挑み続ける。

疲れが癒えぬ時にあまり深く考えるのはよそう。
でも、ただ一つ確かなことは、やろうとしたことをやった。出来た。

とても難しいあたりまえ。それを繰り返すうちにプロになるというあたりまえ。
あたりまえではない奇跡に感謝する。努力だけでは叶わないことでもあるから。

そして今夜深く眠る。

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