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お見送り

91歳9か月。

彼女が最後の呼吸をしたのは19時22分。

施設からの電話を受けて走る。

前もってご家族をお呼びしていたので、最後をお看取りすることが出来たのだと口々にお礼などを述べられるのだけど、悲しいし寂しい。

ご家族様の想いには到底及ばないけれど、施設の職員も涙する。号泣する。

「我儘ばかり言っていたでしょう。ごめんなさいね。本当にありがとうございました。」と娘さん。

「出来ればもっと一緒に居たかったですね。威勢が良い方だったので色んな意味で寂しいです。」と誰かが言う。ご家族様共々、皆が笑う。

泣いたり笑ったりで、今日は3人も4人も5人もが関わって、そのお身体を清拭したりお化粧したりした。

一生懸命食べる人だった。

一生懸命歌う人だった。

怒る人だった。笑う人だった。

闘病も生きるも笑うも愛するも満身創痍。

皆で御身を拭いて、皆で思い出話をしながら泣き笑いをして、夜の22時15分。

正面玄関からお見送りをした。

ありがとう。ありがとうございました。

大好きだよ。

今でも。

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