機会
仕事は忙しいのだが、管理職と比べれば重責が少ない。何と、私は太り始めている。ビックリだ。
以前の十倍くらいの距離を通勤しているし、仕事中も高齢者の一番近いところで動く処置作業やバイタル周りがメインだというのに。
要するに楽しいのだろう。もちろん課題は沢山あるけれど。
今朝ふと気が付いたことがある。以前の施設のほぼ真ん前の道を通過して今の施設へ通っているのだけど、計算が合わない。
前の施設へ到着するのに10分弱かかっていたのに、今の施設に15分ほどで到着していること。
50メートル走より100メートル走の方が無駄が少なく、走行距離に対するタイムが縮むというのは分かるが、それにしても早すぎる。多分、心が軽いのだろう。
***
今日はたまたま主任と二人きりになり、横並びでPC作業する時間があった。
すると、真横で「はあ~」と何度もため息をつきながらぼやいている。正社員の方が仕事を覚えてくれないのだと。
これについては双方の気持ちが分かる。私もその方と同時にスタートしたので「そんな言い方は無いだろう。」とか「いや、それじゃ質問の答えになってないよ。」と思うことがある。
一方で主任さんが「どうしてお願いしたことをやらずに余計なことばかりするのだろう?」と言いたい気持ちも分かる。
なので、まだ勤めて一か月なのにも関わらず「このままでは、いつまで経っても、主任も楽にならないと思うんですよ。いや、主任だけじゃなく誰も幸せにならない。」と、話を切り出してみた。
というのは、同時スタートした彼女は、正社員なのでいきなりリーダー業務を担わされていて、その手前の仕事が何にも分かっていない。分かっていないけど人に訊けない性質なので、全然違うことや適当なことをやっている。その翌日に私が同じ仕事を担当すると、前の日のあと片づけや修正から入らなければならない。そういう時は私も主任さんと同じようにイラっとしますよ。
でも、連日これじゃあ、空気がピリピリしているので派遣ナース陣もそっと息をしているというわけですよ。とは言うものの、まだ一か月です。だから今のうちに基礎業務から仕切り直してはどうだろうか?という話をしてみたのだ。
笑いを交えて話したせいか、深刻な表情の中にも時折爆笑が広がっていた。
それから数時間後、主任は「施設長にも相談して来ました。指導方法を見直して、仕切りなおすことにしました。あと、Ohzaさんが私だけが悪いと言っているわけじゃないってことも、凄く伝わった。」と話してくれた。
何てことはないけれど、それが凄く嬉しかった。本当は自分も、もうちょっと全部が出来るようになってから口を開きたかったのだけど、真横でぼやかれるとついついおせっかいをやいてしまう。
そして分かっている。
人のことを言っている場合ではないんだぞ
それでも、言われる方の辛さ、言う方の辛さ、すべてを忘れずに、自分も学んで行きたい。
おかしいなあ。こんなに真面目に仕事するはずじゃなかったのに。
多分、この施設の人々のひたむきさが、そうさせる。一生懸命じゃない人なんていない。
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