て_ティリー_ウォルデン

ティリー・ウォルデン 訳:有澤真庭 『スピン』 (河出書房新社、2018)

家、近所、学校、習い事、塾、インターネット…幼くても沢山の自分を生きています。むしろ、大人よりも様々なひとや環境に触れているかもしれません。嫌でもやめられないことも、好きだったけど断念せざるを得なくなったことも、日常に積み重なっていきます。他人からの評価や怯えと、自分の身体の変化や傷。ふるえるようにそれらの間を何度も、実際に、そして頭の中で、行き来しながら、自らの輪郭がぼんやりと出来てくるのかもしれません。下描きを繰り返して理想の線が見え始めると、消しても残る痕跡もまた、存在感を増してくるのです。

https://plateaubooks.thebase.in/items/19286934

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