#04Copenhagenize Index2019を読むPart2 ランキングの方法論
Plat Fukuoka cyclingは福岡がbicycle friendlyな都市(まち)となるための様々な提案を行っていきます。
bicycle frendlyというと「自転車にやさしい都市」となると思いますが、私は「自転車がやさしい都市」になってほしいと考えています。それは歩行者に対しても、バイクやバス、自家用車…つまりは都市に対して自転車がやさしくできる都市でありたいと思うのです。
Plat Fukuoka cyclingの目次は下記よりリンクしていますので、ご覧ください。(随時更新)
0.Plat Fukuoka cyclingの描く未来
1.自転車都市ランキングコペンハーゲナイズインデックス2019を読む
2.Plat Fukuoka books&cycling guide
3.Fecebook ページ
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「bicycle friendly」の指標として、Copenhagenize Indexというものがあります。Plat Fukuoka cyclingでは「Fukuoka books&cycling guide」と交互で最新版Copenhagenize Index2019の読解を通りして、福岡がbicycle friendlyな都市となるためのヒントを探っていきます。第2回は「Our Methodology(ランキングの方法)」についてです。
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(以下はリンクサイト:https://copenhagenizeindex.eu/about/methodologyの内容を知人で国際経験豊富な横田美香さんの協力の上で意訳しております。転載等する場合は本サイトのプライポリシーを参照ください)
◆Our Methodology ランキング方法について
コペンハーゲナイズ・インデックスは、実現可能で、市民に受け入れられる実用的な交通手段として自転車政策を再構築するために努力した都市にポイントを付与します。
世界中の数え切れない都市が、何十年にもわたる自動車中心の道路設計である公共インフラの段階的な現代化―つまりは自転車インフラの導入、より優れた政策、自転車シェアシステム、自動車の使用制限など―に挑戦しています。
「自転車に優しい都市」を世界中に広めるため,これらの活動を目録,およびコード化したものがコペンハーゲナイズ・インデックスです。
◆To summarize our process プロセスの要約
世界中の人口60万人以上の600以上の都市(および首都)が我々のデータベースに収録されており,自転車のモーダルシェア(交通手段分担率)が2%を超える都市(信頼できるデータによる)は、次なる選考に進みます。
選考に残った115の都市は、13の異なるパラメーターと,14番目のボーナスポイントで特に印象的な努力または結果に対して0〜4のポイントが与えられます。
集計された14項目のスコアは、特定の都市の自転車に優しい都市度を測るのに効果的であり、ランキング結果が出るまでの2年間,各都市で何が起こっているかを示します。
ボーナスポイントは、パラメーターでは比較できない特別な取組みを強調することができます。 たとえば、市長や政治家がインフラ整備を公約しているため、政治部門で半分くらいのスコアだった場合, ボーナスポイントで、政治的意思や提案された取組みの目的や
スケジュールレベルを判断するのに役立ちます。そして実際にインフラ整備が開始されると、インフラ分野のパラメータにおいて次のランキングでの獲得スコアが高くなります。
◆The Score Card & Parameters スコアカードとパラメーター
(13の項目については、別表にまとめまています)
(意訳ここまで)
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まず13の項目は「街景」「文化」「野心/覇気」の大きく3つのカテゴリーに分かれています。「街景」は主に自転車の走行インフラの整備についての評価軸。「文化」は自転車利用者や利用のされ方への評価軸。最後の「野心/覇気」は行政や政治姿勢、またNPOなど市民レベルの取組みなどのその都市の市民レベルの評価軸と言えると思います。
前回のコペンハーゲナイズ・インデックスの紹介でのトップ3のコペンハーゲン、アムステルダム、ユトレヒトはこの各項目の評価軸をほとんどクリアしているということになります。
各項目に関して、この回での分析は行いませんが、気になって項目のみ紹介します。
1つ目は、「7. Indicators of Safety(安全の指標)」です。自転車利用者の安全の確保に関して、ヘルメット促進運動がないことを明記しています。つまり、ヘルメットをつける必要性は自転車の走行空間の安全性が高い限り不要であり、ヘルメットの着用を迫る政策は自転車の走行環境が危険であり、ヘルメットがなければ命を守れないことを自転車に求めることを示しています。日本では子どもへのヘルメットの義務はあります(1)が、こちらは運転に不慣れな子どもを守る意味で必要と思います。一方で子ども以外へのヘルメットの義務化はまだありませんが、その動きはあることはこのコペンハーゲナイズ・インデックスの意図から再考する必要があります。
2つ目は「9. Cargo Bikes(カーゴバイク)」の日常的な利用です。筆者はアムステルダムを旅行の際、全長が長く、車輪間に大きな荷台があるカーゴバイクを見て、衝撃を受けました。日本においては子ども載せの3人乗りの電動アシスト自転車や運漕会社が使っているリヤカーのものがありますが、欧米のカーゴバイクは安定性や積載能力を高めるため、日本の普通自転車よりと比較しかなり大きいものが主流です。筆者もPlat Fukuoka cyclingにてその可能性を引き出して行くためにも、日本で購入可能なデンマーク製BULLITTを使いはじめる予定(2)です。
3つ目は「11. Politics(政治)」です。福岡市では自転車に関する政策を持っており、その施策目標等や毎年度その評価と見直しを行っています。福岡市議会においても、自転車に関する質疑も少しはありますが、市の施策として取り組んで行くようなムーブメントにはなっていません。交通政策の思い切った施策を打ち出す=自転車政策をとることは時に、非常に政治色が濃くなる場合もあります(3)。日本では特に地方政治への関心に低さによる、市議会への関心は高くありません。ただ市の施策は私たちが送り出す議員によってします。自転車を通した民主主義の再認識も必要になるときがくると考えています。
このCopenhagenize Indexに福岡市はIndexされているのかはわかりません(4)。「Plat Fukuoka cycling」として、将来「Fukuoka」が世界レベルの自転車インフラを有し、多くの人が自転車を通じて社会活動を行うことが主流となるような都市つまり、bicycle frendlyな都市となることを目指して行きます。
次々回になる「コペンハーゲナイズ・インデックス2019を読む」はトップにいるデンマーク・コペンハーゲンについて意訳と共に紹介いたします。
次回は「Plat Fukuoka books&cycling guide」の第2回として、サイクリングに寄りたい本屋の紹介をいたします。また自転車と本の街として、アメリカのポートランドを紹介いたします◯
〈参考文献等〉
(1)福岡市「福岡市自転車の安全利用に関する条例」にて15歳までの子どもをもつ保護者に対して、子どもが自転車を利用するときは、乗車用ヘルメットの着用に務めなければならない。また高齢者の家族に対しても、ヘルメット着用等の助言に努めなければならないとされています。
(2)筆者は3月末のCOVID-19拡大直前に日本でカーゴバイクを輸入している大阪のEURO BIKEを訪ね、注文をしました。その後社会的に関西圏への出入りを自粛せざるえなくなったことから、ぎりぎりのタイミングでした。物流関係の停滞から、納品時期が未定。
(3)デンマーク・コペンハーゲンの自転車政策に関するRSA Irelandの動画(https://www.youtube.com/watch?v=RSFvKyiKf0I&feature=emb_logo)より。短い動画ですが、大変勇気づけられます。
(4)福岡市の人口は現在160万人。自転車の分担率は全市での通勤、通学者の交通手段分担率20.4%(2010年国勢調査)、また都心部(天神/博多駅周辺)においては8.2%(2005年パーソントリップ調査)であり、インデックス掲載の条件は揃っています。コペンハーゲナイズ・インデックスでトップ20になったことのある日本の都市は東京(2011年[5]([]は順位)、2013年[12]、2015年[圏外]、2017年[9]、2019年[16])と名古屋(2013年[15])のみです。諸外国の取組みレベル、特にインフラに関しては脆弱ですが、一方で自転車の利用の頻度の高さや男女問わず利用の高さでポイントを補っているのではないかと思われますが、推測の域をでません。