「遍在、不死、メタモルフォーゼ」展(瑞雲庵)【ショートレポート】
京都にある築100年ほどの古民家を改装した施設「瑞雲庵」で、日本とフランスのアーティスト6名による、エコロジーをテーマとした展覧会「遍在、不死、メタモルフォーゼ」展が開催されています。
中に入ると、広大な畳の間に広がる古市牧子さんの布の作品。インクで染色したコットンの柔らかい色合いが、障子越しの柔らかい光に浮かび上がります。
金魚をテーマとした映像作品は、石橋友也さん。
フナからの突然変異体の交配を繰り返す事で独自の外観を作り出してきた「金魚」。特徴の遠い金魚の交配を繰り返すことで、フナへと戻す試み。5世代ほどで本当にフナの外観へと戻っていきます。
印象的だったのは、2階の屋根裏で展示される、クワクボリョウタさんの《LOST #20》。
灯りのついた小さな電車に照らし出されて影絵が浮かび上がる作品シリーズですが、今回の会場では、屋根裏の部屋の特徴的な空間や梁なども徐々に見えてくるのも面白かったです。
お庭を出て、お蔵の中にも作品が。今回の展覧会のキービジュアルも手掛けているフロリアン・ガデンさんの作品では、巨大なカニが横断歩道を渡ったり、生き物のサイズが変わったり・・・
人ではない何かが現れることで日常の風景が一変します。
ジャン=ルイ・ボワシエさんの作品では、世界各地で採取できる多肉植物クラッスラ・オバタの植木鉢が並びます。鉢には日本の見慣れた土地の名前も。
消しゴムの消しカスで彫刻作品をつくる入江早耶さんの作品。背面の掛け軸から色を得て、像が飛び出してきたようです。
美術館で展示を見るのとは少し違う、作品との距離が少し近い展覧会でした。5/26まで、入場無料です。
【展覧会概要】遍在、不死、メタモルフォーゼ
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