外資系メーカーの思ったよりも普通なこと3選
外資系企業と聞くと、「年収が高い」「実力主義」「働きやすい」といったイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。実際に働いてみると、そのイメージと現実には少しギャップがあることに気付きます。
私は現在、外資系メーカーに勤める33歳の社員ですが、外資系というだけで過度な期待を持っていると、「あれ、意外と普通じゃない?」と感じることが多々あります。
この記事では、そんな外資系メーカーでの「普通なこと」を3つ挙げつつ、逆に「外資系っぽいな」と思ったことも合わせてご紹介します。これから外資系メーカーに転職を検討している方や興味を持っている方の参考になれば幸いです。
普通だなと思ったこと①:給料は思ったよりも高くない
外資系というと「年収1000万超え」「高給取り」というイメージが強いですが、現実はそこまで派手ではありません。特にメーカーの場合は、業界全体の水準が日系メーカーと大きく変わらないため、期待しすぎると拍子抜けするかもしれません。
たとえば、私の場合、33歳で月20時間程度の残業をしていて、年収は約800万円です。これだけ見ると決して悪い数字ではありませんが、「外資系=高給取り」という先入観を持っていると、「思ったより普通だな」と感じてしまう水準です。転職前の日系企業勤務時代と比べても、年収ベースではほぼ変わらずでした。
また、給料だけでなく昇給のペースも、日系企業と大差ない印象です。「成果次第でどんどん年収が上がる」といった華やかなストーリーを期待していると、現実とのギャップを感じるかもしれません。
ちなみに私が勤めている所はボーナスは存在せず、その分月収が高いです。いつ転職しても金銭的な不利益がないため、働いている人間にとってそこは有利かもしれません。
普通だなと思ったこと②:そんなに実力主義でもない
外資系企業は「厳しい成果主義」のイメージがありますが、メーカーに限って言えば、そこまで実力主義を感じる場面は少ないのではないでしょうか。特に、日本法人の場合は、社員の多くが日本人であり、文化的にも日系企業と近い部分が多いように思います。
たとえば、私の勤務先では、社員の評価が三段階で行われますが、その大半が「真ん中の評価」になります。極端に厳しくもなく、突出した人が評価されるわけでもなく、いわば「全体の平均値に合わせる」スタイルです。
また、目標管理についても、「厳密な成果指標(KPI)があるのでは?」と思いきや、自分で設定するスタイルが基本です。そのため、意識が高い人以外は「達成しやすい目標」を設定することが多く、評価の意味合いが薄れている気がします。このあたりも、日系企業とあまり変わらないと感じる点です。
普通だなと思ったこと③:働きやすいけど特別ホワイトではない
外資系企業のもう一つのイメージとして「ホワイト」「柔軟な働き方」というものがあります。確かにフレックス制度やリモートワークといった仕組みは整っていますが、これも最近の日系企業と大きな差は感じません。
特にメーカーの場合、現場での業務が多く、工場勤務を伴うことがほとんどです。そのため、「リモートで自由に働ける」という理想像とは遠い働き方になりがちです。私自身、工場勤務が中心のため、リモートを利用する機会はほとんどありません。また、設備や工事の監督業務が伴うため、勤務形態は日系時代とほぼ変わらない印象です。
ただし、働きやすさ自体は悪くありません。ですが、「特別優遇されている」と感じる場面も少ないのが現実です。
逆に「外資系っぽい」と感じたこと
一方で、「これが外資系だな」と感じる特徴もいくつかあります。以下にその例を挙げてみます。
①人が簡単に転職する
外資系では「転職」が当たり前の文化であることを実感します。特に中途入社の社員がほとんどで、入社して1~2年で別の会社に移る人も珍しくありません。「より条件が良いところへ行きたい」「キャリアアップを目指したい」と考える人が多いため、転職が非常に活発です。
とはいえ、これは個人の考え方による部分が大きく、全員が頻繁に転職するわけではありません。しかし、こうした風潮は確かに日系企業とは異なると感じます。
②事務的な手続きは基本自分でやる
外資系企業では、「自分でやる」というスタイルが基本です。たとえば、物品の申請や社内システムの利用など、事務的な手続きについては、総務のようなサポートを期待するのではなく、自分で調べて対応する必要があります。
さらに、重要な申請や発注処理は海外機能に一任されていることが多く、手続きが煩雑で時間がかかることもしばしばあります。
この点は「外資系=効率的」と思っている人にとっては意外に感じるかもしれませんが、規模が大きい外資系企業では「無駄を削減するための無駄」が発生しているように思います。
おわりに
外資系企業、とりわけメーカーでは、期待される「外資らしさ」と実際の働き方にギャップがある場合が多いです。ただ、その「普通さ」が悪いわけではなく、むしろ安定した働き方を求める人にとっては魅力的な職場環境と言えるかもしれません。
この記事を読んで、「外資系メーカーって意外と普通なんだな」と感じた方もいるかもしれませんが、最終的には自分の価値観やキャリアプランに合った環境を選ぶことが重要です。この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
ちなみに転職について、下記のような記事やマガジンを書いているので、良かったら読んでみてください。