直角三角形の「隣辺」を普及させよう
幾何代数による高校数学と統計学と物理学の再構築にハマっているが成果がなかなか得られず記事の更新が疎かになっている今日この頃、よく見る数学の視覚化動画
を見ていて(これはこれで素晴らしいのでお勧めです)、直角三角形の3辺、hypotenuse、adjacent side、opposite sideが出てきて、そう言えば日本語で「斜辺」はよく聞くし「対辺」も言わん事ないが、adjacent「隣辺」って殆ど聞かないなあ、自分だけかなあと思い調べてみました。
因みに、何の隣なのかと言うと、着目する角度$${\theta}$$のお隣さんと言うことです。
手元の高校教科書「精鋭 高校数学第二巻(数研出版) 」の三角比の章では、斜辺以外は特に言及していません。
一方、学習サイトなんかではまあまあ使われています。
「底辺」という自分の事のようなナンダカ親近感の沸く言い方もあるようです。
「対辺」は「高さ」的な言い方もするようですが、向きによって変わるのでナンダカナアです。
名前は大事。例の私の中で悪名高い三角形の合同条件「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」、昔は「二辺挟角相当」で済ませていたものをなぜダラダラ長い名前にするのか理解に苦しむ代表選手だが、ちゃんとシンプルな名前で呼びましょう。名前は概念を凝縮したもの。その方が間違いが少ない。
そして、数学苦手な人でも口にするサインコサインタンジェントも、
$$
\\
\sin\theta=\dfrac{対辺}{斜辺}\\
\\
\cos\theta=\dfrac{隣辺}{斜辺}\\
\\
\tan\theta=\dfrac{対辺}{隣辺}
\\
$$
と、説明しやすいこと間違いなしになります。
と言うことで、散見されるもののもう一つ浸透していない「隣辺」を大普及しましょう、と言う提案です(今「りんぺん」と入れたら「鱗片」としか変換されないと言うことはやはりマイナーなのか)。
因みに、当塾では、三角形の各辺を呼ぶときには「長女」「次女」「三女」と長い順に名付けて呼んでいます。特に相似で威力を発揮。
「辺AB:辺BC イコール 辺DE:辺EC 」とか言われても一点一点を確認せねばならず、こんがらがって結局訳が分からなくなるが、「左の三女:次女 イコール 右の三女:次女」なら、辺と辺を比べるので一瞬で分かります。
また、「斜辺」「対辺」「隣辺」は、直角三角形限定用語。上のようなそうではない三角形の各辺を適切に呼ぶ方法がありません。
そして、数学はメンバーのキャラが大事という信念があるので、擬人化ではないがキャラ立てをした方が数式や図形が可愛く思えてくるものです。
因みに「長男」「次男」「三男」としないのに特に理由はありません。あえて言うと「ちょうなん」より「ちょうじょ」の方が音節が一つ少ない(「じょ」は一音節)ので言い易い、だけのことです。
更に因みに直角二等辺三角形(正方形を斜めに「半分こ」したやつ)では次女と三女は同じ長さになるので、「双子の妹」となります。
三姉妹、効果絶大なので勝手に使ってもいいですよ。