🦋星空を見上げたくなるカレンダー 2022.09 蕎麦畑の蝶/お月見と惑星たち
季節の写真と、これからの星空の見どころ情報を、毎月お届けします☆
今回は、2022年9月版。
今年の9月は、お月見のシーズンのみならず、土星と木星も見頃を迎え、夜空の主役の座を争う様相。明るい惑星は、やっぱり夜空で目を引きますからね。
のんびり夕涼みを楽しみながら星を見たり、あるいはカメラや望遠鏡・双眼鏡などを持っている場合にはそれらを取り出してじっくりと夜空と向かい合うのにもいい季節です。
🔷9月の写真「蕎麦畑のチョウ 」
[撮影地:長野県上伊那郡]
平地よりも一足先に秋がやって来る山梨・長野ののどかな農道。
あたりを見渡すとそこかしこに、可憐な白い花が溢れんばかりに咲いているエリアが広がっている。蕎麦(そば)畑だ。
とくに信州は、そばの名産地として有名だけど・・・
それにしてもこれほど大量にそばの実が生産されているとは…。
そば栽培の規模の大きさに私がちょっと圧倒されている傍らで、淡々と蕎麦畑で食事を続けるチョウの姿が、ふと目に入った。
これでもか、というほど選び放題の花の海の中で、花選びに迷うでも困るでもなく、ゆったりマイペースなテンポで、花を飛び渡り、密を吸ってはまた次の花へ。
あのチョウは、一番美味しそうな花を選んで密を吸いに行ってるのかな。それとも、そんなことは何も考えず、ただただ適当に、飛んで、降りて、蜜吸って、また飛んで・・・ としているだけなのだろうか。
いったいどんな気持ちで、なにを考えているのか、、チョウ本人(?)に、聞いてみたくなった。
🌠 星空の見どころ
●[9月10日]中秋の名月/十五夜
旧暦の8月15日は、いわゆるお月見の日。
中秋の名月、とか十五夜、など、旧暦に基づいた定番の呼び方も、よく知られますね。今回は、このネーミングについて、もう少し読み解いてみましょうか。
「中秋の名月」。
これは、旧暦では7・8・9月を秋としていたので、そのど真ん中の日、という意味で中秋。その時期のお月見日和の日ですよ、ってことでこのネーミングになったわけですね。
そして「十五夜」というのは旧暦の8月15日 だという部分を強調した言い方ですね。
旧暦は、新月の日を毎月の朔(ついたち/1日)としていたので、新月から数えて15番目の日。月は29.5日くらいの周期で満ち欠けするので、おおよそ満月頃になります。
ただし、ぴったり満月の日とは限らない。14日に満月になったり16日に満月になったりすることも。
ま、でもお月見の日が毎年複雑に日付が変わってしまうと不便なので、8月15日で良いよね、ってことで、この日をお月見の日としたのでしょう。
秋って、気候もちょうどいいし、また天文屋的には、満月の月が昇る位置が高すぎず低すぎず、だったり、星座の星で明るい星が少ない、などなど、月に注目するには、いろんな好条件が重なります。
また、昔の人達は秋の収穫を祝う祭りを行う日としても、秋の満月の夜はぴったりだったのでしょう。(満月じゃないと、真っ暗でとても祭りなんてできない?!)
そんなこんなで、お月見の日が、いかにお月見に適しているのかを実感しながら実際に秋の名月を眺めてみてはいかがでしょうか♪
●[9月27日]木星が衝
土星(8/15衝)に続いて、木星も衝を迎えます。
衝(しょう)とはなんぞや、という話は先月のnoteに譲ることとして、、
要するに土星も木星も、いままさに見頃の時期なんだ、ということですね。
木星と土星は、いずれもかなり明るい惑星です。
この時期は、南の夜空やや低い位置で、すごく明るい星が2つ見えたら、
ひだり が 木星 で みぎが 土星
で、おそらく間違いないでしょう。
明るさは、木星のほうが土星よりも遥かに明るいです。
夜半の明星とも称される木星の、堂々とした明るさを、ぜひ実際の夜空で確かめてみてください!
また、望遠鏡を持っている人は、ぜひぜひ木星と土星の観察を!
手頃な望遠鏡でも、品質が良いものなら木星の月(ガリレオ衛星)や土星の輪っか がちゃんと見えますよ!!
これらの手軽な望遠鏡は、わたしも個人的にすごく好きです。
ラプトル50やコルキットスピカで、たとえば土星を見ると、ギリギリだけどちゃんと輪っかがわかるんです。
すんごくちっちゃくて可愛らしい様子で。
自分で望遠鏡を覗いてみるのは、立派な望遠鏡が撮影した写真を見るのとはまったくの別体験。
🔵関連リンク
◎星空のみどころ情報[不定期配信]
https://note.com/planetarian_t/m/mfde300317f28
◎2022年1月~12月<1年分まとめて>
https://note.com/planetarian_t/n/nd0f7097d81b7
◎写真抜粋
https://note.com/planetarian_t/n/na8390b806a8c