未だ癒えぬ心の傷に
出会いと別れの季節、春。
どうやら私の場合は、両親との死別が春だったこともあり、別れの春という印象が無意識の中に強く刻まれているようです。
そのせいか、春になると頻繁に、このフラワーエッセンスにお世話になってしまいます。
スター・オブ・ベツレヘム(Star of Bethlehem)
科属/ユリ科オオアマナ属
学名/Ornithogalum umbellatum L.
和名/オオアマナ
花期/4月〜5月
12-7-9選択法/セカンド19:毎日の生活で起こる感情の起伏を表すエッセンス
7グループ選択法/落胆あるいは絶望している時に
製造法/煮沸法:花序全体を摘み取る
一般的には、過去に受けたショックがよみがえってきたときに、スター・オブ・ベツレヘムが用いられます。
これは、自分で自覚しているときはもちろんですが、無自覚なときでも効果的。
実際、私がスター・オブ・ベツレヘムを用いると、いつも心と身体がすっと整うような印象を受けるのです。
そのため(あぁ、このエッセンスが必要な状態だったのだな)と気づかされたりもするのですね。
自分自身では対処しきれないような大きなショックを受けたときには、身体や精神、魂のエネルギー領域のいずれかが“ズレ”たような感覚になります。
これは、直面するにはインパクトが強すぎる出来事のときに、自己のバランスを崩すことで受けるダメージを緩和し、難局を乗り越えようとする、一種の健康的な防衛手段と考えることができます。
でもこれは、脱臼の症状に似たようなものであって、一度外れてしまうと、癖になって外れやすくなってしまうのです。
似たような出来事が起きたり、昔を思い出したりすると、無意識の癖でエネルギーをズラしてしまう。
それを続けていくうちに、エネルギーに歪みが生じて心身の健康に不具合が生じ、ゆくゆくは自覚できるさまざまな症状へと進行していきます。
スター・オブ・ベツレヘムは、エネルギーのズレを矯正し、本来の調和の取れた状態に戻す、一種の整体施術のような働きをするのではないのかな……というふうに考えています。
東日本大震災から間もなく10年を迎えようとするタイミングで、福島沖を震源とする大きな余震がありましたね。
月日が経てば喪失感は薄れ、悲しみも癒えていきます。
けれど、先日の地震の際には、当時の記憶が蘇ってきたはずです。
なかには、フラッシュバックを起こして苦痛を覚えた人、逆に何も感じないように感情を閉ざして乗り切った人もいることでしょう。
過去の出来事として少しは冷静にとらえられるようになった今だからこそ、スター・オブ・ベツレヘムの働き、エネルギー面での歪み矯正が必要なタイミングを迎えていると言ってもいいのかもしれません。
非常に興味深いのですが、私の実家の庭に、このスター・オブ・ベツレヘムの株があります。
そのことに気がついたのは、ちょうど父の十三回忌の年でした。
フラワーエッセンスを知り、学んだからこそ見つけられたわけですが、その偶然に私はひどく感激したものです。
おかげで、花の開花する様子をじっくりと観察することができました。
まさか、自分の家でフラワーエッセンスの植物を観察できるとは。
それも、その花がスター・オブ・ベツレヘムだとは……と、感じ入ることはたくさんあります。
なぜこの花が家にあるの?と、発見した当時、今は亡き母に尋ねたところ、庭を作った際に庭師の方が植えてくださったのだとか。
なるほど、だからこの花が庭に咲いていたのですね。
ところが、庭どころではありませんでした。
家の敷地と田んぼの境界になっている土手に、ひっそりとスター・オブ・ベツレヘムが咲いているのです!
人の手によって植えられたというのならわかるのですが、土手に咲く花を見ていると、植物がこの地を選んで自生しているとしか思えません。
ひょっとしたら、幼い頃からこの花を見かけていたのかも???
バッチ博士のフラワーエッセンスを学び、イギリスに行って現地の植物に触れてきたのですが、実は自分の原点とも言える場所に、その植物はずっと存在していたのです。
灯台下暗しとはよく言ったものですね。
フラワーエッセンスは、何も飲むだけにはありません。
実際の花に触れたり、写真を見たりするだけでも、エネルギーを感じることができるのです。
実家周辺にひっそりと咲いていたスター・オブ・ベツレヘムは、私たち家族の心を癒し慰める役割を、長年にわたって密かに果たしてくれていたのでしょう。
その後、母にお願いしてスター・オブ・ベツレヘムの株を分けてもらい、私が住む庭に移植して、植物観察を続けています。
立春過ぎから、スター・オブ・ベツレヘムが芽吹き始めました。
今年もまた、4月末頃から光り輝く美しい花を咲かせてくれるはずです。
東日本大震災から10年の節目を迎え、なお心の傷が癒えずに苦しんでいる人たちに、どうぞこの花のエネルギーが届きますように。