イギリス就職を目指す人へ Graduate Route編
昨年、SOAS, University of Londonで修士号を取得し、現在はロンドンにある市場調査の会社で働いています。
大学院在学中はSudent Visaでイギリスに滞在していましたが、現在はGraduate Visaというビザで滞在しています。(3/16/2024現在)
すでにご存じの人も多いと思いますが、このビザは、学部もしくは修士課程を卒業後2年間、博士課程を修了後3年間、イギリスに滞在できるというものです。就学と一部就業に制限がありますが、原則として何をしてもいいため、貯金があるのなら遊んで暮らすもよし、インターンシップをするもよし、もちろん私のようにフルタイムで働くこともできます。私のクラスメイトは、アルバイトをして生活費を稼ぎながら就職活動を続けています。
しかしイギリス政府は、移民の数を減らすため、今後このGraduate Visaを見直すと2023年12月に発表しました。今後、Graduate Visaが廃止されるか、もしくは滞在できる期間が短くなる可能性が高いと思います。
Graduate Visaが廃止、もしくは滞在できる期間が短縮された場合、就職活動が今よりもはるかに難航すると思われます。というのも、留学生がGraduate Visaでイギリスに滞在している場合、企業は追加の負担をせずに雇用することができますが、そうでない場合は、企業が費用を負担して、Skilled Worker Visaを申請しなければいけなくなるからです。
別の記事で詳しく書こうと思いますが、Skilled Worker Visaを申請するためには、会社自体がスポンサーとして登録しているだけでなく、ひとりひとりのVisaを申請する際に、申請料や弁護士費用を払う必要があります。この費用の負担を嫌がる企業も多く、実際私が勤めている会社でも、HRやマネジメント層から「Visaが必要ない人だけを雇えないか」という声が出ていると直属のマネージャーに教えてもらいました。Graduate Visaで2年間働いたのに、Skilled Worker Visaをスポンサーしてもらえなくてやむなく帰国する、という留学生も少なくありません。
今まではGraduate Visaで2年間働けたので、企業側も雇ってみて、問題がなければSkilled Worker Visaをスポンサーする、ということができました。私の友人が勤めている大手コンサルティング会社でも、1年間問題なく働ければSkille Worker Visaに切り替える方針だそうです。しかしGraduate Visaがもし完全に廃止されると、企業は最初からSkilled Worker Visaをスポンサーしなければならなくなります。
では、Graduate Visaがなくなったり、滞在期間が短くなった場合はどうすればイギリスで就職できるのか。次回以降、考えていきたいと思います。
(3/16/2024)(Image ©Raghav Goyal)