蟹座のホームシック
この時期の出来事は、
センチメンタルな風を運んでくる。
理性は、そんな風を軽々と押しのけるチカラとなる。
だけど、満月の夜は、
そんなセンチメンタルな自分も含めて、
過去の傷に向き合って、
悲しみに寄り添って、
一番深いところまで潜っていって、
自分の最も暗い闇の中から、小さな光を拾い上げたい。
波立てた感情の根源をたどっていきたい。
押さえ込んできた気持ちを、全部吐き出したい。
この世に誕生してから我慢してきたすべてを吐き出したい。
空っぽにしないと見えて来ない、
根底に隠れている真の姿に出会いたい。
本能を震わせる鼓動を感じたい。
言いたかったのに言えなかったこと。
伝えたかったのに伝わらなかったこと。
純粋な想いを声にしたい。
捻れた糸を解いて、
もう一度、純粋な情熱でつながりたい。
☆
心の内側で硬くなってる違和感
長い間 放置していた結び目
どう解いていいのか分からなくて苦しい
無視していていた声が漏れてくるの待つ
「つながりたかったの・・・」
その言葉に反応して 涙は外へ溢れ出る
魂に寄り添い 時間を手放していく
☆
ものすごく寂しいのは、
失っている何かを感じるから。
そこにあったはずの何かを感じているから、
ぽっかりと空いた空間にあったものを探し始める。
その感覚が、感情を揺らし始める。
記憶が消えていくように 意識が薄れていくのを嘆く。
二つに裂かれたティアマトを体感すると、
生命からチカラが抜けていく。
☆
迷子になっているのは、
物質の内側に眠っている精神。
三次元空間の錯覚が視界を遮る。
失っている次元を無意識に手探りしている。
本当に守りたいものが そこにある。
結ばれたいと叫んでいるもの。
心が幻想を払い、
星々が自由に輝いている世界に向かう。
魚座のセンチメンタルが、
月のホームシックを呼び起こし、
蟹座を脱皮させようとしている。
☆
流れや差を感じると、
切り離された心が痛みを思い出す。
閉じ込められた心が、一番安心できる世界を求めてさまよう。
今ある殻をすべて脱ぎ捨て、本質に戻ろうとする。
過去と未来がコノトキにつながると、
失われていた感覚と、もう一度つながりはじめる。
満月の微笑み
数えきれぬ無数の生命に支えられてコノトキは存在する。
ひとつの物語の終わりに、海の中から新しい意識が目覚める。
「誰か」や「何か」の中にも、
自らがいることを忘れなければ、
どんな小さな立ち振る舞いも、それは自分自身への労わりとなる。