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Fiducia男と女の奇妙な関係 Storia .2 Arte Distorta その場所での出来事
La verità dello spazio misterioso 理解できない空間での出来事
なぜ 人はそれを見たがるのか
それはたぶん 見られないという決め事の上で成り立つ
振る舞いだから もし、そうでなければ出来ないことだから
※物語の中には、一部に性的な描写等も存在します。
故に、年齢認証の意味もあり、該当部分は、【成人向け】 有償記事といたしました。ご理解いただき、条件の基、未成年者は閲覧不可
成人のみ 有償部分はお読みいただければと存じます。
ただし、作者の私見として、けっこう回りくどい文章ですので、対価を払う意味は読まれた方次第です。(それでも構わないと言われる貴重な方はお読みください)
⚪️この物語は 11,575文字程度の分量があります。(この部分、その他スペースも含めて)
その空間では誰もが自由だった。
解放区 そんな陳腐な言葉で括るには、少しそぐわない気がした。
この場所には、人が持っているけれど口にはしない事柄、例えば 欲 そして 本能 さらには 抑圧された心から出てくる不満、願望、それらを日頃から抱えながらも表に出さないでいる人々が、自ら吐き出したり、またこの空間に来てもなお、ひた隠しにしている人々が、いろいろな形で、それを隠しきれず、表面に露呈し始めること。決してそれを否定しない空気がここにはある。
見方を変えれば、ここは、ある種、殻が割れるところを目の当たりにする空間ともいえる。
昆虫が蛹から成虫になる様のように。
人がその殻から外に出る姿。
殻と考えれば、殻が崩壊し、その殻自体には価値がないとすれば、殻を出ることを転生と呼ぶ。
殻にこそ価値があったのなら、そこには大切なものが壊れ果てたことを意味する。
現実論、その価値は、それぞれの人が感じれば良い。
ただ時に、その殻が割れる様を、誰かに晒すことが、得も言われぬ陶酔であったり、逆にそれを目の当たりにすることが、堪らない刺激と捉える人が個々にいるのもまた現実なのだろう。
影響は影響を誘発して、さらなる殻を割り、転生が起きる。
決して、最初からそれを望んでいたわけではない人々もそう。
人間の脆さ危うさが、この場所で溢れる。
その極めて理解に苦しむ、事柄がここで起きること、これを現実にしているのは、この空間に存在するある種の決め事による縛りが機能しているからなのかもしれない。
ここに来る人達には、細かなルール等は伝えられず、またそのルール自体は文章にはなっていない。けれど、皆、ある意味で決め事により自分たちが守られていること、そして決め事を一度でも踏み外そうとすれば、ここには居られないことを知っているのだった。
そうならないでいるためには、文章として存在しない決め事に関して、その内容を頭で理解出来ている事が前提となっていた。
何より、この場所は彼ら自らが主体でシェアしている場所であり、ここにいて彼らのために働く人々は、あくまで、彼らからの委託で従事しているという、あくまで体裁としての形があった。
supplemento
この物語は、とある国のとある場所で、1990年代後半から新世紀の初め頃にあったとする出来事を描いた完全なフィクションです。故に、ここに描かれている内容は、現実の法律や制度からみれば、違和感の残ることが散見されますので、ご了承ください。さらに、この物語が描いている年代においても、現在の人々の生活や考え方とは大きく異なるものかもしれません。
想定として、2024年に比べ、情報が限定的だった時代、ようやくネット経由で情報が溢れ出た、そんな一時代の中において、発生したかもしれない現実ではない物語です。
■■□□□□■ iniziare la storia ■■□□■■
物語をはじめます
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L'inizio della storiaLa verità dello spazio misterioso
理解できない空間での出来事
zona liberata
その空間では、肩書も出自も職業も何も関係がなく、ただそこに来たという絶対的な事実だけがあった。
人々は、ただ、そこに来て時間と空間を共有する。
店ではない、その場所は彼らが集まるための場所だ。
すなわち、そこはあくまで彼らだけのプライベートな空間
Uno spazio privato solo per te
同じ場所なんてものは、何度か出向けば、顔なじみも出来る。
けれど、この場所ではそれはむしろ不都合な過去となり、顔なじみが交わした一瞬の会話が、その場所の価値を一瞬で奪い去ることを、ここの誰もが知っていた。
だから、ここでは、誰もがはじめてここに来たことになる。
これも、ここにある大切なルールの一つだった。
ここに居る誰もが、特別な関係の仲間たちで、彼らはみな、お互いによく知る仲間であり、相互に了承しあって集まった、私的な集いだ。
けれど、そこにいる人々は初対面だという、所謂ゲームだった。
彼ら自らが所有する、特別な私的な空間なのだけれど
そこに来る人々は、みなその場所で初対面でいた
次回も そして その次も
もちろん
人は完璧な生き物ではない。
また、また人はそれほど単純でもない。
だから、時として、欲望と思惑と興味は、その人物の頑なな意思さえも崩してしまう。そんな危うい空間だからこそ、秘守、自己責任 自由 これらを前提としながらももう一つの真実が出来上がっていった。
ルールは破られる、規律は犯される そんなことは百も承知だけれど、これがなければ、ここは存在しないということを、知るべきだと
それがルールの根源だった。
彼らは、この空間のゲストであると同時に、この空間は主体は彼らであり、この空間のスタッフは、彼らゲストが依頼して実務を行ってくれている、言わば業務委託と言える。ゲスト達が業務委託して、業務委託先が運営する場所という形がこの場所を存続させていた。
なので、彼らゲストは、自分たちの空間に来たのであって、そこかの店に来たわけではないというのが、この場所のあくまでの形態だった。
だから、この空間の出来事には、彼らに委託された人々は
ある、タイミンでは彼らと空間を同じにはしない・・
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