見出し画像

アメリカの中学歴史教科書「UNITED STATES HISTORY」を読んでみた(ペリー編)

上写真の本を手に入れた。元々外国の教科書(特にアメリカ)に以下の点についてどのような記載があるのか気になっていた。

  • 建国の経緯について

  • 日本との関係について

今回、少し値は張ったが、いつかは読みたいと思っていたので思い切って購入してみた。
最初に驚いたのはボリュームの多さである。A4サイズで1000ページ超え。ものすごく重たいので、これを持ち歩いて登下校は不可能と思われるため、学校に置きっぱなしなのだろうか(だとしたら試験勉強の時はどうしているのだろうという疑問はあるが)。
中身はパッと見でカラフルで資料は満載で楽しそうな印象だ。
目次を見て最初に印象づくのが年代がほぼ1400年代から始まることだ。日本の場合は建国から2000年前後経っているため、時間のスパンとしてはかなり昔から入るわけであるが、アメリカの場合は建国が割りと最近のため、それより前は思い切ってかなり端折られている。

さて、まず最初に読んでみたのは日本との関連で何が書かれているかである。結論としては本書に記載されている日本に関する事柄は以下2点であった。

  • ペリー来航のこと

  • 第2次世界対戦のこと(パールハーバーに始まり、終戦に至る経緯。ただし、その後のGHQの占領時期については触れられていない)

本記事では前者のペリー来航について、どのような記載になっているか簡単に紹介したい。

まず分量としては2ページ程度で、それほど大きく割かれているわけではない。
内容をかいつまむと以下の通りである。

  • 1800年代中頃から、欧米が東アジアに力を及ぼすようになり、日本もその中の一国であったこと

  • 当時日本は鎖国していた

  • アメリカはヨーロッパよりも先に日本と取引を開始したかった

  • ペリーが二度に渡り日本に赴き、アメリカとの取引がいかに日本にとって有益であるかを熱心にプレゼンした。その結果、日本との取引の開始に成功した

  • 日本はアメリカとの取引開始を歓迎し、工業的な力と近代化を日本にもたらした

  • その結果、日本は直後の中国やロシアとの戦争に勝利し、領土等の利益を得た

といった具合で、日本側の書きっぷりとは異なる印象を受ける。日本ではペリーというと、鬼のような怖い肖像画の人物がやってきて、無理やり開国を迫られた、という印象だが、アメリカ側ではペリーは日本との取引を苦労して成功し、その結果自国および日本に利益をもたらした、と紹介されているようだ。おそらくどちらの面も正しいのだろう。
また、やはり、日本が中国やロシアに勝利したことは、世界の中でも大きなことだったようで、そのことに対する言及も印象的だ。
教科書中に添付されている写真は侍姿の日本の人々が、突如やってきたペリーの船に戸惑っている様子のもので、アメリカからみた日本は、鎖国していた奇異な国、という印象を持っていたことがうかがえる。

とまぁ、そんなところで、同じ時代のことでもどちらの国から見た記述かによって、だいぶ印象が異なるところが面白い。

次回以降の記事では違う箇所の記述の内容と感想も紹介したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?