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生理(ピリオド)の呪縛から解き放たれて羽ばたく女の子たち
こんにちは!プラン・インターナショナルの平田です。
めまぐるしく変化する世界で、日々目にする各地のニュースで塊として取り上げられている人々にも、それぞれの人生があり、一人ひとりにかけがえのないストーリーがあると思うと、遠い国で起こっている出来事も一気に身近に感じられる気がしませんか。
見逃されがちな出来事や市井の人々の暮らしを描いた映画や書籍は、世界を映し出す窓として私たちに多くの学びをもたらしてくれます。今後少しずつ、プラン・インターナショナルの活動と親和性の高い映画や書籍を紹介していきたいと思います。
今回は、いまだ恥ずべきこと、けがらわしいこととして女の子や女性からさまざまな機会を奪ってしまっている生理(ピリオド)にまつわる状況を描いたNETFLIX配信の短編ドキュメンタリー「ピリオド -羽ばたく女性たち-」を紹介します。
世界中の女の子や女性たちを悩ます生理
おそらく世界中のだれもが、女の子に生まれて最初に感じる不安、怖れ、驚き。それは、初めて迎える生理なのではないでしょうか。
米国のプラン・インターナショナルが、2021年生理用ナプキンAlways(オールウェイズ)とともに実施した調査によると、米国においても生理には依然として、「恥ずかしい」「秘密にしたい」という感情が伴い、13歳~17歳の女の子の3人に1人が生理を理由にからかわれたり恥ずかしい思いをした経験を持ち、自尊心が傷つけられ自信を失ったことがあると答えています。
日本でも、小学校の中学年に差し掛かるころ、何の前触れもなく女子だけが一つの教室に集められ、秘密めいた空間のなかで、これから各々の体に起こるであろう変化について、保健の先生から聞かされ戸惑った経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
そんな日本では、近年ようやく「生理についてもっとオープンに話そう!」という機運が高まりつつあるのは、とても喜ばしいこと。社会全体が生理をタブー視するのではなく、男性も含めて生理についての知識を深め理解しようという動きは、女の子や女性の権利を尊重し、女性たちが各々のライフステージで輝くきっかけを得る好ましい兆しに感じられます。
少しずつ見え始めてきた好ましい変化
日本と同様に、世界においても少しずつ変化の兆しは生まれはじめています。
NETFLIXで配信中のインド発、短編ドキュメンタリー「ピリオド -羽ばたく女性たち-」では、生理がタブー視されているうえに、伝統的な家父長制が女の子や女性たちの可能性を狭めてしまっているインド農村部で、ナプキンの製造販売を通して、自信をつけ夢にむかって前向きになる女の子や女性たちの様子が描かれています。
最初は、生理のことを口にすることさえ恥ずかしがっていた女の子たちが、周りの意識の変化に伴い、自らもナプキン製造や販売活動に携わり収入を得られるようになることで、自身の存在価値に気が付き、人生を前向きにとらえるようになる様子は非常に印象的で、目を輝かせながら将来の夢について語る彼女たちの姿には心が揺さぶられます。
「女の子たちが羽ばたくために」との思いを込めて命名されたナプキン「フライ」の物語は、26分という凝縮された時間のなかで、広大なインドに暮らす約6億人の女性たちだけでなく、世界中のすべて女の子たちの可能性を示唆し、夢と希望の象徴のように感じられます。
参考:HUFFPOST 「生理は、教育を妨げるものではいけない」生理の映画にアカデミー賞、受賞スピーチが喝采を浴びる
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各国で、声をあげ行動を起こしはじめた女の子たち
プラン・インターナショナルが活動する多くの国々でも、生理ナプキンの製造や販売を通じて経済力をつけ自尊心を高めた多くの女の子たちが活躍の場を広げています。
バングラデシュのプラン・インターナショナルが制作した動画「生理用ナプキンが、私の人生を変えた~」では、ナプキンの製造販売を通じて、機会と可能性が大きく広がった女の子たちの姿が描かれています。
生理を理由に学びや働く機会が奪われ、将来の夢が閉ざされてしまうことがあってはなりません。
プラン・インターナショナルは、勇気を出して、声をあげ行動を起こす女の子たちに寄り添い、時には背中を押す存在であり続けたいと思います。