瞬きの逢瀬

一年の半分が過ぎたころ
幾重もの風鈴が飾られる神社がある
色とりどりに、それぞれの形で
七夕の風鈴祭りだった
どうしてもまた、この景色が見たかった

頬を風が撫ぜてゆき
千の風がいっせいに語る
目を閉じて、
涼しげに笑う顔を
ひとつだけ手繰り寄せる

目を開いて、
空を仰ぐ
たくさんの風鈴の向こうに
ひとつの飛行機雲が線を残して
今、それぞれがいるべき場所へ
帰り道を標していた

また一年後、いつかまた会える日まで
星になったあなたへ

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