帆立の詫び状 てんやわんや編
"若い女の子たちには『好きなだけ勉強していい』『思いっきり働いていい』と伝えたい(中略)足を引っ張ってくる人たちは放っておいて、心穏やかに自分の道を邁進してほしいと願っている"2023年発刊の本書はデビュー作が大ヒットするも依頼殺到にアメリカに逃亡した著者による『原稿外』エッセイ。
個人的には手軽に読める本を探して(著者の作品は未読なのですが)本書を手にとりました。
さて、そんな本書は東京大学法学部卒業、同法科大学院修了。プロ雀士、弁護士を経て『元彼の遺言状』で19回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した著者によるデビュー直後の2021年7月から2022年10月までの期間に書いた30本のエッセイを"アメリカ移住でのびのび遊んだ"『アメリカ逃亡』"偏愛するバック他、雑多な興味のあれこれ『あれもこれも好き』"新人作家が直面するてんやわんや"『やっぱり小説が好き』の3章にわけて収録したものなのですが。
2024年現在、早くも風化しつつあるコロナ禍の記憶を思い出しながら、著者の軽快ではあるも真摯さを感じる日々の様子や感じること、考えていることを楽しませていただきました。
中でも(フロリダのディズニーワールドと比較して)『東京ディズニーリゾートは純文学』とか、異世界転生アニメ『転生したらスライムだった件』にハマってのアニメと小説の表現媒体の違い考察などはユニークで面白かったです。
著者ファンの方はもちろん、気軽に読めるエッセイとしてオススメ。