戦争を取材する
"世界は戦争ばかり、と悲観している時間はありません。この瞬間にもまたひとつ、またふたつ.....大切な命がうばわれているかもしれないー目をつぶってそんなことを想像してみてください"2011年発刊の本書は2012年シリアで殺害されたジャーナリストが残した、戦争や世界平和を考えるための一冊。
個人的には2024年現在、戦争や争いはなくなるどころか広がり、また日常化している中で著者を思い出して本書を手にとりました。
さて、そんな本書は亡くなるまで世界中の戦場で、常に子どもや女性を追い続けていた『ヒューマンなジャーナリスト』2013年には、危険な状況下の取材により報道の自由に大きく貢献をした記者に贈られる世界報道自由ヒーロー賞を受賞、また死後も『山本美香記念国際ジャーナリスト賞』に名を残した著者が、平和のためにはどうしたらよいのか【親子で、友だち同士で話し合うきっかけに】と願って、自身のジャーナリストとしての仕事を説明した上で、レバノン、コソボ、ウガンダ、アルジェリア、アフガニスタン、イラク、チェチェンなどでの活動の様子、特に犠牲になっている子どもたちの姿を写真も豊富に紹介しているのですが。
日々流れてくる悲惨な映像、ドローンによってゲームのように人が亡くなるニュースに麻痺してしまうような現在、著者のまっすぐなメッセージがあらためて深く刺さります。
また、戦争ではなくても、インプレ稼ぎや承認欲求を満たすために日々、誰かを生贄にしては中傷したり傷つけのが当たり前のようになってきているSNS地獄の現在。相手を理解しようとし、尊重する当たり前のことも再確認させてくれます。
戦争がなくならない世界に立ち止まっている、思考停止してしまっている方にオススメ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?