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安いニッポン
"今の日本は、『我慢して貯める』か『じり貧で使う』しかなくなっている。『失われた30年』とまで言われるほど日本が立ち止まっていた間に、世界はどんどん成長し、日本のポジションも大きく変わってしまったのだ。"2021年発刊の本書は、話題となった日経連載記事を編集、追記した気づきになる一冊。
個人的には、インバウンドが話題になっていた頃からわかっていた(素晴らしいわけでは全然なく)『お買い得な日本』を確認するために本書を手にとりました。
さて、そんな本書は旅行や出張で海外に出かける機会の多い方や、あるいは訪日外国人の方と話す機会のある方なら薄々でなくても気づいていたであろう、世界と比較して【突出して安くなっている日本の価格】について。ディズニーランドやダイソーの世界各国の値段を比較して確認した上で、その【『弊害』について】コロナ禍の影響なども加味した上で警鐘を鳴らしているのですが。
サンフランシスコでは『年収1400万円は低所得』に始まり、外国資本から割安リゾート地として買わ続ける北海道ニセコ、中国の下請け化が進む日本の中小企業、アニメ業界。ホテルに見られる『二重価格』と【ビジネスパーソンなら周知の事実】で、新鮮味こそないものの、あらためて突き付けられると、やはりグローバルに『稼ぐ力(能力)のない』身としては、刺さる内容でした。
また本書では、そうした『安さ』が続く中での弊害として、既に起きている"バブルとは真逆となった"海外旅行で感じる余裕のなさはもちろん。『優秀な人材流出、若者の留学難』により【さらに日本が貧しくなる】可能性(というより、近未来?)を指摘しているわけですが。こちらも身近で危機感を覚えることばかりなので。さて、と直視させられる読後感でした。
『割安な国』で、個人としてどう生きるか。また、この国がどうあるべきか。(美辞麗句ではなく)【現実的に考える】キッカケが欲しい方にオススメ。