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京大吉田寮

"これらの写真をご覧になった皆様には、純粋な気持ちで精一杯生きている学生たちの存在、そして、吉田寮とそれに関連した様々な事柄に、より多くの関心を持っていただけたら幸いです。"2019年発刊の本書は現存する学生寮の中で最古の木造建築、退去通告後の『今』を記録に残した写真集。

個人的には、建築好きの1人として、大学側からの退去通告後の寮生と大学の裁判の行方について。注目している中で本書についても手にとりました。

さて、そんな本書は吉田寮を記録に残し、情報の発信を行う目的で立ち上がった『吉田寮記録プロジェクト』の一つとして、寮の関係者から依頼を受けた写真家の平林克己が撮影した寮自体や寮生の生活する姿に、元寮生にして小説家が文章で補足、巻末には資料として歴史や貴重な昔の写真や図面も収録されているのですが。

寮内で開催されたイベント等で何度か訪れた事もある吉田寮ですが【実際に部屋で寮生が日常を過ごしている姿】を拝見することは流石になかったこともあり、読書やPC作業をしていたり、仲間たちと麻雀をしたりビリヤードをしてる姿に新鮮さを覚え、自身のかっての学生時代の記憶を思い出して懐かしい気持ちになりました。

また、最近のキレイなワンルームマンションなどに比べると【当たり前に古く、かつ混沌としている】吉田寮ですが、最早慣れてしまったのか?それとも、やはり撮影者の腕前か?写真で眺めると建築物として年月を重ねて【超然とした美しさすら感じる姿】になっていて、ノーベル賞受賞者や大臣といった数々のOBも輩出している吉田寮を何とか未来に残してほしい。とあらためて思わされました。

吉田寮、京大関係者はもちろん、京都好きや建築好きな方々にもオススメ。

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