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レッジョ・アプローチ
"『共感する力』を伸ばすことには、より適切な社会的行動をとれる人を育てる、また情緒的にバランスのとれた人になってもらう、ということのほかに、子どもたちが、未来のよりよい市民社会の担い手になる、という目的があります。"2017年発刊の本書は日本でのレッジョ・エミリア(RE)アプローチの導入、実践記録。
個人的にはオルタナティブ教育に関心を持ったことから本書を手にとりました。
さて、そんな本書はイタリア生まれ、比較病理学の研究者を経て、縁あって来日。幼児教育への道に進んで教員として"世界で最も高く評価されている幼児教育理念"レッジョ・エミリアのメソッドを使った教育を日本に導入、実践してきた著者が、運営する学校『GGDA』で実際に起きたエピソードに基づいて、レッジョ・エミリア・アプローチを『子どもたちの中にある"百通りの言葉』から『"共感する力"を育て、社会に参加できる子供に"と全四章にかけて、自らの考えに基づいて言葉にしているのですが。
先生の指示には絶対服従。的な昭和の教育を受けてきた私としては【子供たちは、ものごとを表現するのに、百通りの言葉を持っている】と、すべての子供には豊かな可能性、潜在力、表現力があることを前提にして、システムを強制するのではなく、環境面に細心の配慮を持って引き出そうとする考え方に刺激を受けました。
また、同じイタリアと言えば、同じく教育メソッド『モンテッソーリ』が知られていますが。著者自身がよく違いを尋ねられることから、あくまで私見として語る。レッジョ・エミリアの理念の方が『個人』ではなく『グループ』【知識の探求や深めていく作業が社会的なものとされる】には、私自身も知りたかったので参考になりました。
日本におけるレッジョ・エミリア・アプローチ、幼児教育に関心がある方。具体的に知りたい方にオススメ。