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ガザとは何か

"問われているのは、植民地主義的侵略の歴史にどう向き合うか、ということです(中略)だから主流メディアは、そこに踏み込まない。日本は、こうした点でもイスラエルと歴史的な共犯関係、同盟関係にあるんです"2023年発刊の本書は『イスラエルとは何か』ガザで起きている虐殺行為に立ち尽くしている人に必読の一冊。

個人的に米コロンビア大学での反戦デモやガザ現地からの発信にモヤモヤが止まらないことから本書を手にとりました。

さて、そんな本書は長年パレスチナ問題に取り組んできた、パレスチナ問題と現代アラブ文学を専門とする著者が2023年10月7日、ガザ地区のハマース主導のパレスチナ戦闘員による、イスラエルへの攻撃に端を発するイスラエルによるガザ地区への攻撃が激化する中で、それぞれ有志により企画された10月20日京都大学、10月23日早稲田大学で行われた緊急セミナーで行った講演に加筆修正を加えた講義形式の一冊で。『ガザとは何か』『ガザ、人間の恥としての』の2部構成に質疑応答を加えた緊張感溢れる内容になっているのですが。

恥ずかしながら、本書で指摘されるように"結局は『暴力や憎しみの連鎖』『どっちもどっち』"あるいは進行形で起きている事態に対してもパレスチナ、イスラエル『どちらの情報が正しいかわからない』と沈黙していた私にとって、本書の内容は『問題の本質』がわかって、わかりやすくも衝撃的な読後感でした。

また、京都在住として。パレスチナ俳優による"とどまり続けるために闘っている"ウトロ地区に対する『私たちの難民キャンプで難民一世、二世の女性たちが闘っているのと同じだ』(=勇気づけられた)という発言には、遠い場所の話と傍観していた私に、急に喉にナイフを突きつけられるような学びがありました。

表題どおり、ガザとは(イスラエルとは)何か。今、2024年。ガザで、また全米や全世界で起きているイスラエルへの抗議を理解したい方にオススメ。

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