~世界の(トイレの)車窓から~ベトナムの南北統一鉄道編
これは、ベトナムにある南北統一鉄道に乗って「陸のハロン湾」と称されるチャンアン複合景観があるニンビン省からダナンまでの道のりを旅した、およそ14時間のお話。
数日前「閑散期だから、席は直近でも取れるだろう」と、ニンビン省に入り浸っていた私は、1日に5便くらい走っている南北統一鉄道のどの便も、希望の4名ベッド席が全てが埋まっていることを知る(普通の席もあるけれど、さすがに14時間は無理)。
ニンビン省に住んでいる友人にも、ホテルのスタッフにも確認してもらうが、結局取れたのは夜21時44分発の6名ベッド席。それも、最後の1、2席だった。ベトナム人は今、多くの人々がコロナ禍のロックダウン後の反動で旅行をしていた。予想以上に。
すでに、ひとりのおじいちゃんが寝転がっていた。私を見るなり、ベトナム語で「この子は韓国人かいな・・・?」と言っていたので、「日本人です」と答える。「ベトナム語がわかるんだね」と苦笑いされる。その瞬間のベトナム人の反応を見るのも面白い。
鉄道に乗る日、朝からプールで泳ぎまくって程よく疲れていたので、寝転がっていつの間にか寝ていた。10時就寝、5時起きという完璧な睡眠。
そして、その隣の部屋の男の子が、「お姉さんは、韓国人ですか?」(最初のおっちゃんと同じ流れの会話)と聞いてきたのをきっかけに、子供たち全員から質問攻めにあう。日本のことも、よく知っていた。
「日本の電車は、もっと床も窓もキレイでしょう?」と、隣の部屋のお姉ちゃんに聞かれる。テレビで見たことがあるのだそう。ご家族で、出身地のクイニョンまで行くのだそう。
・・・ということで、子供たちと仲良くなったものは良いものの、私は進行方向左側のハイヴァン峠をなんとしてでも見たかったので、車内を歩き回って発見した。それは、車両前方にあるトイレの窓だけが上下に開けられるようになっていたこと。「ここだわ」と思い、トイレに長居する日本人。
このハイヴァン峠の景色は、鉄道でしか見ることができない。バスや車は、今や新しくできた内陸の道を通るからだ。ひとつ思ったのが、もし、次回6名のベッドの部屋を同じ区間を旅するのであれば(行かないと思うけれど)、ニンビンからフエまでは寝台の車両にして、フエからダナンまでは普通の席の左側を取っても良いのかもしれない。値段も少し安くなりそうな。
結局、前方の窓が開くトイレは、ほとんどの人が使っていなかった。何度か自分の部屋とトイレを行き来して、窓を開けて撮影をした。ビデオも撮りまくった。
ちなみに、車内のトイレ横の洗面台にはアルコール消毒液が置いてあって、トイレ内にも掃除チェックシートがあった。マスクをしていないと、車内に乗れない・・・ということは無いけれど、寝台車両で寝るときには、喉を潤すためにもマスクはつけておいたほうが良いと思う。あと、蚊よけにもなる。
話しかけてくれた子どもたちよ、ありがとう。そして、たまに男の子が喋るの早すぎて、理解できなかったときに、ゆっくり、易しいベトナム語で話してくれた同じ部屋の女の子は、恥ずかしがり屋さんだったけれど、一番笑顔が可愛かった。
~世界の(トイレの)車窓から~ベトナムの南北統一鉄道の旅は、出会いの旅でもあった。