DAY1:14日間で学ぶ、ベトナム語文法の基礎~ベトナム語とは~
ベトナム語は美しい。英語のようにダイレクトで、日本語のように上下関係に繊細だ。「私はあなたよりも年上の女性です」とでも言わんばかりに、自分と相手の立場に応じて主語を変幻自在に操る。街で少しでもベトナム語を話そうもんなら、「あなたのベトナム語、めっちゃ上手!」と褒めちぎってくれる。それで浮かれていると、「は?今、何て?全然わからない」とスパッと切られる。この繰り返し。天真爛漫で話好きで褒め上手なベトナム人に「マミと出会えて幸せだよ」と言われると、もう目の前の人をもっと笑わせたい一心で、ひたすらベトナム語を勉強する。そして何よりも、ベトナム料理のおいしさよ・・・!
ベトナム語とは
英語の文法をひたすら暗記して学んだ日本人にとって、ベトナム語はアルファベット表記(チュー・クオックグー( chữ quốc ngữ ))、単語の形が時制に応じて変わらない、中国語由来が多く発音でなんとなく理解できる単語が多い(例外もある)等、文法や書記においては比較的簡単な言語だ。と私は思う。
中国語とフランス語由来
ベトナム語には多数の外国からの借用語があり、地理的&歴史的にも影響を受けている中国語由来(漢越語)が一番多く、次にフランス語由来が多い。中国語と似ている点は、共に声調言語であること(文法は比較的簡単で、とにかく発音が難しい)、文の語順など。漢越語の例としては大学đại học、歴史lịch sử、chú ý注意など。
そして、フランス語に関しては、例えば、全て、という意味のベトナム語tất cảはフランス語tout çaと発音や表記が似ている。駅、という意味のベトナム語gaはフランス語gare、ボスや上司、という意味のベトナム語sếpはフランス語chef、 にんじん、という意味のベトナム語cà rốtはフランス語carotte
からの由来だそうだ。
フランス占領の歴史
中国はまだしも、なぜフランスなのか?実は、ベトナムは19世紀半ばから20世紀半ばまでの約100年の間、フランスの支配下におかれていた。1858年コーチシナ戦争(「カトリック宣教師団の保護」を名目にフランスがスペインとともにベトナム中部ダナンで攻撃を開始し占領)から始まり、1859年サイゴン(当時、現ホーチミン)を含む南部ベトナムも占領、1882年北部のハノイも占領、1887年にはフランスはカンボジア、ラオスも支配下におき、「フランス領インドシナ連邦」が成立。
このフランスの占領時代に、ベトナムでこれまで使っていた漢字が禁止、代わりにアルファベットを使ったベトナム語表記(クォックグー)のみが許され、フランス同化政策を強いた。
その後、1941年にはホー・チ・ミンがベトミン(ベトナム独立同盟)を結成し、独立運動を展開。1945年、第二次世界大戦中にベトナム北部に進駐していた日本が無条件降伏すると、ベトミンはハノイで蜂起し八月革命をおこし、その9月2日にハノイで独立宣言。その後9年の時を経て1954年ジュネーブ停戦協定。しかし停戦後には北緯17度線で南北2つの国に分断され、その後のベトナム戦争へのきっかけとなっていく・・・。
歴史の話は、長くなってしまうので、ここまでで割愛させて頂くが、このような背景から、ベトナムにはフランス統治時代の教会や郵便局などの建物が残る。また、コーヒー、ベトナム風サンドイッチbánh mìや、プリンbánh flanなどフランス由来の食べ物が国民食となっており、とても美味しい。
各都市の雰囲気
ちなみに、ベトナムの首都はハノイで日本でいう東京、ホーチミンは大阪、フエは京都、そして私がいるカントーは福岡と勝手に考えている。福岡は九州のリーダー的都市であるように、カントーはメコンデルタのリーダー的存在なのだ。と私は思う。
ホーチミン 「東洋のパリ」
人民委員会庁舎(Ủy Ban Nhân Dân Thành Phố)
中央郵便局(Bưu Điện Thành Phố)
ハノイ 「ベトナムの首都でビジネスの街」
ハノイ大教会(Nhà Thờ Lớn /St.Joseph Cathedral)
ホテル「ソフィテル・レジェンド・メトロポール」(Sofitel Legend Metropole Hanoi)
これらの名所の写真だけを切り取ると、フランスだ。
1.ベトナム語の基本的語順
[主語] + [動詞] + [目的語・補語]
ベトナム語は英語と同じSVO型。英語と異なる点は、ベトナム語は、人称や時制による動詞の変化や複数の s などの語形変化が無いこと。その為、語順が重要になる。
例:Tôi là sinh viên. 私は学生です。
Tôi:私は là:~だ sinh viên:学生
例:Anh ấy là sinh viên. 彼は学生です。
anh ấy:彼
Là文(AはBです)の語順
肯定文:Anh ấy là luật sư.
否定文:Anh ấy không phải là luật sư.
疑問文:Anh ấy có phải là luật sư không ?
luật sư:弁護士
肯定文は主語+là+名詞、否定文では主語+không phải là+名詞、疑問文では主語+có phải là+名詞+không?の語順。
2.動詞文
例:Chị ấy viết thư. 彼女は手紙を書く。
viết:書く thư:手紙
例:Hôm qua tôi viết 2 bức thư. 昨日私は2通の手紙を書いた。
hôm qua:昨日 bức:~通
3.形容詞文
[主語] + [形容詞]
英語のようなbe動詞はベトナム語の形容詞文の場合は無い。
例:Cô ấy xinh. 彼女はかわいい。
cô ấy:彼女
例:Tôi không xinh. 私はかわいくない。
không:~ない(否定文)
修飾関係:ベトナム語の修飾関係は日本語、英語と逆
被修飾語 + 修飾語
形容詞・名詞・指示詞の場合
hoa đỏ:赤い花
cây cao:高い木
quyển sách mà tôi mua hôm qua:私が昨日買った本
quyển:類別詞(この文章の場合は、本sáchの前に置かれる)
今日は、ここまで。めっちゃ、前置きが長くなってしまったけれど、明日からはがっつり文法を。
創造の場所であるカフェ代のサポートを頂けると嬉しいです! 旅先で出会った料理、カフェ、空間、建築、熱帯植物を紹介していきます。 感性=知識×経験 மிக்க நன்றி